以前のGoogleの戦略では、端末販売に関して同社は市場の主導者になれず、収益もあまり上がらなかった。Googleのハードウェアは、自社のソフトウェアのショーケースとして、あるいはサードパーティーの端末メーカーに見本を示す目的で作られていた。それがGoogleの「Nexus」プログラムの目標だった。Nexusは、“素の”Android(つまり、通常は通信キャリアや端末メーカーが追加するプリインストールアプリを排除したGoogleのモバイルOS)を搭載する、好評だがニッチなスマートフォンブランドだ。
Googleは毎年、Nexus端末開発で、LG Electronics、Huawei、HTCなどさまざまな端末メーカーと協力してきた。Nexusプログラムは2016年で終了し、新たなオリジナルスマートフォンブランド、Pixelを発表した。
ではなぜ今、Googleはハードウェアに本気になっているのだろう。市場はここ数年で変わった。Google Glassが失敗したスマートメガネ市場には、Snapchatが130ドルの「Spectacles」で参入した。このメガネはGoogle Glassほど野心的ではなく、社会からも好意的に受け入れられている。
Googleの親会社であるAlphabetは、傘下のハードウェア企業にも資金を注ぎ込んでいる。同社は2014年にNest Labsを買収した。同社は、「iPodの父」と呼ばれ、ハードウェアのグルとして知られる元Appleのベテラン、Tony Fadell氏が立ち上げたスマートホーム端末メーカーだ。Fadell氏は2016年、Nestを去ったことは話題となった。だが2017年9月、同社は2年ぶりの主要新製品を発表した。インターネットに接続するドアベル「Nest Hello」およびセキュリティシステム「Nest Secure」などだ。
消費者はついに、自宅をスマート化する準備ができたようだ。Amazonは、2014年に音声で制御するスピーカ兼スマートホームハブである「Echo」を発売して世界を驚かせ、予想もされなかった市場のリーダーになった。Googleは2016年、Echoと競合する「Google Home」で後に続いた。Appleはこの12月、349ドルの「HomePod」で市場に参入する。
だが、Amazonはまだ音声スピーカ市場の王者であり、eMarketerによると、市場の70%を占めるという。Googleは大きく水をあけられた2位だ。そして、AmazonのCEO、Jeff Bezos氏は先週、新たな攻撃を仕掛けた。35〜150ドルの価格帯で、5つの新しいEchoシリーズ製品を発表したのだ。Jackdaw ResearchのDawson氏は、「Amazonの発表イベントは同社の市場での主導的立場を再度強化した」と語った。
Dawson氏は、Googleは市場シェアという点で、後追いモードだと付け足した。「Googleは、やるべきことが山積みだ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」