iFixitは、「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」に続いて発売当日に入手したスマートウォッチ「Apple Watch Series 3」のLTE対応モデルを分解し、レポートを公開した。
交換が容易なベルト、比較的交換しやすいバッテリ、交換はやや難しいもののZIFコネクタで外しやすい画面は修理の容易性に貢献したが、電子部品の交換に極めて細かいはんだ付け作業が必要になるなど、実際の修理は困難だという。そこで、修理のしやすさを0から10の数値(10がもっとも修理しやすい)で表す「Repairability Score」(修理容易性スコア)を先代の「Apple Watch Series 2」と同じ6とした。
サイズなどのフォームファクタは前モデルから変更がなく、温めて接着剤を柔らかくしたところ、ガラスを割らずに開けられた。腕時計の竜頭に相当する「Digital Crown」に赤いポイントが設けられた以外、前モデルと驚くほど似ていた。
画面はZIFコネクタで接続されており、容易に外せた。Apple Watch Series 2から変更されていないように見えるが、LTE通信用と思われる複数周波数に対応するアンテナらしき部品が新たに追加されていた。この画面モジュールが、前モデルのものと交換可能かどうか、後ほど試すそうだ。
先がY字型の特殊なドライバーなどを使って分解を進めると、バッテリが取り出せた。スペックは3.82V、279mAh、1.07Whで、先代の1.03Whに比べわずかながら容量が増えた。ちなみに、初代モデルは0.78Whしかなく、2代目に相当する先代は初代から32%の大幅な増量だった。Apple Watchは次第にバッテリが大きくなって来たのに対し、iPhoneはiPhone 8とiPhone 8 Plusのいずれも容量が小さくなっている。
こうしてロジックボードまで取り外した結果、組み込み機器用SIM(eSIM)の役割を担うと思われる、ARM製「SecurCore SC300」コアを内蔵するST Microelectronics製チップ「ST33G1M2 32 bit MCU」の存在が確認できた。また、底面に配置されていたワイヤレス充電用コイルには、大多数のQi充電器に対応させるための小さな変更が施されていたという。
なお、iFixitの分解チームは1年前、「東京(での発売)はカリフォルニアに比べ16時間早いし、Apple Storeもある」ため、東京でiPhone 7、「iPhone 7 Plus」「Apple Watch Series 2」を分解した。今回は、東京でなくオーストラリアのシドニーに出張して分解を実施したが、その理由についてiFixit最高経営責任者(CEO)のKyle Wiens氏はCNET Japanによるインタビューの際、オーストラリアのX線撮影装置を使える施設で分解ができるため、と述べていた。
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