iFixitは、“Androidの父”と称されるAndy Rubin氏がGoogleから独立後に初めて市場投入したスマートフォン「Essential Phone」を入手し、分解レポートを公開した。内部のネジが標準的なドライバで外せる点と、引っ張るとはがれるタイプの接着剤でバッテリが固定されていることは、修理のしやすさにつながると評価している。
ただし、USB-Cポートがマザーボードに直接はんだ付けされていたり、そもそも内部にアクセスしようとすると画面が割れやすかったりする構造などから、修理のしやすさを0から10の数値(10がもっとも修理しやすい)で表す「Repairability Score」(修理容易性スコア)を、極めて低い1とした。修理容易性を重視し、「修理する権利を取り戻したい」と主張するiFixitは、Essential Phoneを「Essentially a Mess」(「根っからゴチャゴチャ」)と呼んでいる。
百戦錬磨のiFixitも、Essential Phoneの分解には手こずったようだ。まず、カバーを開こうとしたが隙間は見当たらず、接着剤を柔らかくしようと温めたが効果がなく、逆に冷却したらやっと背面カバーをこじ開けられた。ところが、裏側からだと分解をそれ以上進められないことが判明しただけだった。
そこで、表面から同様の方法で分解を試みたが、やはり強力に接着されており、画面を外す際にガラスが割れてしまった。画面を構成するカバーガラスとLCDパネルは簡単に分離可能で、割れた画面は交換しやすい。もっとも、壊さないように画面を外すことは至難の業で、交換のしやすさに意味はあまりないという。
画面を外すと、すぐバッテリにアクセスできた。バッテリは、引っ張るとはがれる接着剤で固定されており、交換は用意だ。しかし、画面を外すのが難しいため、修理をしやすくする工夫が無駄になったとしている。
マザーボードは細長い形をしており、底面のUSB-Cポートのコネクタが直接基板にはんだ付けされていた。コネクタは壊れやすい部品なのだが、故障時にはんだ付けをやり直すか、マザーボードごと交換するとなると、修理代金が高くなってしまう。
Essential Phoneの特徴の1つは、さまざまな拡張モジュールを背面に装着できること。そうしたモジュールを吸着するための磁石は、内部にN極とS極が分かりやすく取り付けられていた。この磁石の交換は難しいが、700年くらいは使える部品なので問題ないという。
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