「iPhone 8 Plus」はバッテリ容量が約1割減、省電力の成果?--iFixit分解レポート

 iFixitは、「iPhone 8」に続き、発売当日に入手した「iPhone 8 Plus」の分解レポートを公開した。

 基本的に構造はiPhone 8と同様で、画面とバッテリの取り外しが容易、ワイヤレス充電に対応してLightningポートが劣化しにくい、防水および防塵により故障しにくい、という長所がある反面、ガラス製の背面カバーが壊れやすく交換が難しいという。最終的に、修理のしやすさを0から10の数値(10がもっとも修理しやすい)で表す「Repairability Score」(修理容易性スコア)を6とした。


修理容易性スコアは10点満点の6点(出典:iFixit)

 画面側の表面を温めて接着剤を柔らかくし、吸盤を使ったところ、ガラスを割らずに開けることができた。画面とマザーボードを接続しているケーブルは、iPhone 8と同じく標準的なプラスのドライバーで外せた。


Qiの受電用コイルが目立つ(出典:iFixit)

開腹は容易(出典:iFixit)

 バッテリは、引っ張るとはがれるテープ型の接着剤を4つはがすと簡単に交換できる。バッテリのスペックは3.82V、2691mAh、10.28Whで、「iPhone 7 Plus」の3.82V、2900mAh、11.1Whより容量が小さい。ちなみに、iPhone 8は3.82V、1821mAh、6.96Whだった。


バッテリも外しやすい(出典:iFixit)

 その後は特殊なドライバーが必要で手間はかかるが、分解は無理なく進められる。ロジックボードに実装されていたチップはiPhone 8と若干異なり、Apple製チップ「A11 Bionic CPU」、Qualcomm製LTEモデム「MDM9655 Snapdragon X16」、村田製作所の無線LAN(Wi-Fi)/Bluetooth/FMラジオ用チップ、3ギガバイトのSamsung Electronics製LPDDR4 RAM、64ギガバイトのSanDisk製NANDフラッシュメモリ、NXP製NFCチップなど。


iPhone 8 Plusのロジックボード(出典:iFixit)

 iPhone 8 Plusで使われている部品をiPhone 8や既存モデルと比べると、ホームボタンのパーツ番号はiPhone 8と同じ。iPhone 7 Plusの画面をiPhone 8 Plusに取り付けたところ、表示はできるがデジタイザは機能しない。また、多くの部品が既存モデルのものと交換可能だった。

 iPhone 8の分解時には、極めて慎重に作業して背面カバーのガラス層とアルミニウム製フレームを分離した。それに対しiPhone 8 Plus分解時には、背面ガラスの交換が必要になる現実的な場面を想定し、故意にヒビを入れて作業したところ、やはりガラスだけの交換は極めて難しいという結論に至った。


背面ガラスの交換は極めて困難(出典:iFixit)

 なお、iFixitの分解チームは1年前、「東京(での発売)はカリフォルニアに比べ16時間早いし、Apple Storeもある」ため、東京でiPhone 7、「iPhone 7 Plus」「Apple Watch Series 2」を分解した。今回は、東京でなくオーストラリアのシドニーに出張して分解を実施したが、その理由についてiFixit最高経営責任者(CEO)のKyle Wiens氏はCNET Japanによるインタビューの際、オーストラリアのX線撮影装置を使える施設で分解ができるため、と述べていた。


iPhone 8 Plus分解の解説ビデオ(出典:iFixit)

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