ソニーモバイルコミュニケーションズは9月26日、PDCAサイクルにより健康的な生活を促進する健康管理プラットフォームを開発し、パーソナルヘルスケアサービス「Fit with AI Trainer(FAIT:ファイト)」として、9月より法人向けに導入を開始すると発表した。
FAITは、専用のスポーツセンサーと運動解析技術により、定期的な体力測定の結果データと、専用のアクティビティトラッカーで記録した食事・睡眠・歩数などの日常活動記録を解析し、利用者に合わせたトレーニングメニューをアドバイスするサービス。
具体的には、加速度センサを搭載した防水の腕時計型アクティビティトラッカー「FAITタグ」を身に付けて生活することにより、睡眠時間や歩数、食事時間などの日常の活動データを記録できる。なお、毎月の測定時に専用サーバ上のクラウドデータと同期するため、個人のスマートフォンなどは必要としない。
また、大腿などに装着して動作を検知する「スポーツセンサー」とタブレットとの組み合わせによる体力・認知機能測定システムを開発。トレーニング施設や共用設備など、導入先施設に設置して定期的に測定すると、体力や認知機能のスコアを記録できるという。同システムは、筑波大学との共同研究から開発した独自の測定手法を活用。固定の測定機材や広い空間、専門のトレーナーやサポートスタッフによる補助を必要とせずに、タブレットの指示に従って高齢者も容易に行える動作の結果から、体力や認知機能を可視化できる。
体力や認知機能の測定結果と「FAITタグ」で取得した日常の活動データとを解析し、個人に適したトレーニングメニューが自動で提案される。トレーニングメニューの内容は、導入企業の業態、サービスや顧客に合わせてカスタマイズできるほか、筑波大学 山田実准教授監修による同社独自メニューの提供も可能。なお、対象は高齢者向け介護施設、健康経営、フィットネスクラブと幅広く対応している。
同社によると、2016年以降、ソニー・ライフケアグループのライフケアデザインが運営する介護付有料老人ホームなど、複数の施設で実証実験を実施しており、実用に向けてエンドユーザーのフィードバックを収集していた。
サービス開始にあたり、ライフケアデザイン、ベネッセスタイルケア、アグリマス、ヒューマンライフケア、大和ハウス工業などの幅広い業態の企業が導入を決定。また、スポーツクラブNASとわらわらは、今年度中の導入を予定している。
今回、FAITとして導入する健康管理プラットフォームは、記録したデータをクラウドで管理しているため、サービス導入時もしくは、企業が運営する稼働中のサービスに同サービスを加えることで、より魅力的なサービスを提供できるという。
たとえば、共用施設やフィットネスクラブ内など複数の拠点で測定したデータを相互に共有し、統合して管理できるほか、ビックデータとして蓄積後、ディープラーニングによるAI(人工知能)で解析し、効率的なトレーニングメニューの提案において、精度の向上が期待できる。
将来的には、同サービスから得られるビッグデータを解析・学習し、より幅広い健康促進アドバイス提案ができるように進化させるという。
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