米国時間9月4日、太陽が地球に向かって膨大な量の荷電粒子を放出した。その荷電粒子が、6日から7日にかけて地球に到達する可能性が高いという。磁場に包まれ、コロナ質量放出と呼ばれる荷電粒子は、あらゆる規模の問題を引き起こすおそれがある。
宇宙空間プラズマ物理学者のTamitha Skov氏によると、太陽嵐は無線通信や航空機の飛行を妨害する可能性があるという(同氏は、太陽を観察するさまざまな宇宙探査機の助けを借りて宇宙の天候を観察している)。通信電波にノイズが交じり、アマチュア無線愛好家の楽しみを邪魔することになるのは間違いない。
Skov氏は6日、ライブ配信サービス「Periscope」でのプレゼンテーションで、「これは大きな嵐になる。それも、長く続くだろう」と語った。ただし、1859年の太陽嵐「キャリントンイベント」ほどの壊滅的規模になることを恐れている人に対して、同氏は「心配ない」と言い添えた。
地球を保護する磁場のおかげで、太陽嵐は基本的に安全なものだ。しかし、現代の暮らしには危険も及ぼす。陸地に広がる電力系統を大混乱に陥れる可能性があるからだ。
米海洋大気庁(NOAA)は6日、磁気嵐の規模評価を「G3」に上げた。「Strong(強)」の評価とはいえ、深刻度としては中間に当たる。G3になると、配電網の事業者は電圧を調整する必要があり、人工衛星は方位や通信で障害を受けるおそれがある。嵐が強いほど、高周波無線通信を混乱させる可能性は高まる。こうした無線通信には、スマートフォン上の「Googleマップ」で誘導に利用されているGPS衛星の信号などがある。
Skov氏によると、嵐の磁場の向きが地球の磁場の向きに沿っているかどうかを専門家が確認するまで、実際の深刻度は分からないという。向きが一致すれば磁気コネクションが起こり、嵐に起因するエネルギーがより多く地球に伝わる可能性がある。
ただし、今回の太陽嵐は、夜空を見上げるいい機会になるだろう。より多くの人が地球のオーロラを目にすることができるかもしれないからだ。というのも、太陽嵐によって、空に輝く光が地球の極域から人口の多い地域に向かって押し出されるためだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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