NICT、11年ぶりの大型太陽フレア観測--9月8日午後からGPSなどに影響のおそれ

 太陽活動や宇宙環境変動を観測する国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は9月7日、大型の太陽フレア現象の発生を確認したと発表した。

 太陽フレア現象は、太陽の黒点群の領域で生じる爆発現象で、強い紫外線やX線、電波などが放射されるほか、高温のガスが放出されるコロナ質量放出(CME)現象が生じることがあるという。

 日本時間9月6日20時53分に発生した現象の最大X線強度は、通常の1000倍以上で、このクラスの大型現象は2006年12月5日に観測した以来11年ぶりとしている。

人工衛星SDOで観測された太陽画像(左: 可視光、右: 紫外線)
人工衛星SDOで観測された太陽画像(左: 可視光、右: 紫外線)

 この現象に伴い、高温のコロナガスが地球方向に噴出したこと、高エネルギーのプロトン粒子の増加を確認。コロナガスは日本時間9月8日15時から24時ごろにかけて、到来することが予測されている。

 この影響で、到来後は数日間にわたって地球周辺の宇宙環境や電離圏、地磁気が乱れる可能性があり、通信衛星、放送衛星などの人工衛星の障害やGPSを用いた高精度測位の誤差の増大、短波通信障害や急激な地磁気変動に伴う送電線への影響などが生じる恐れがあるとし、注意を呼びかけている。今後1週間ほど地球に影響を与える可能性があるという。

人工衛星GOESによって観測されたX線強度
人工衛星GOESによって観測されたX線強度
通常の1000倍の大型太陽フレアを観測 | NICT-情報通信研究機構

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