Googleがデスクトップ版「Chrome 61」をリリースした。この最新版「Chrome」では、いくつかのきわめて重大なセキュリティの問題に対応するバグ修正が行われたほか、コンピュータ制御の科学機器や産業用のUSB周辺機器など、特殊な用途のUSBデバイスを安全に接続できる新しいAPIのサポートが追加された。
Chrome 61では新たに、Googleに所属する2人のエンジニアが開発した「WebUSB API」のサポートが追加された。WebUSBは、マウス、プリンタ、キーボードなど以前からサポートされている標準的なUSB機器だけでなく、さまざまなUSBデバイスとのウェブアプリの通信を可能とするAPI仕様だ。
Googleは、WebUSBを教育分野で活用できると考えている。想定されているのは、科学を学ぶ学生が、例えば「Arduino」を用いたシステムをChrome経由でウェブアプリケーションと接続するといった使い方だ。この場合、ウェブからドライバをインストールする必要がないため、セキュリティ上の脆弱性にさらされる可能性が少なくなると、Googleではメリットを強調している。
また、Chrome 61は、「Android」の「Payment Request API」にも対応する。このAPIは、すばやく決済できる機能をサイトに容易に搭載するためのものだ。
さらにChrome 61では、JavaScriptモジュールのネイティブサポートが実現した。
「今回のリリースでは、新たな『<script type=module>』要素経由でのJavaScriptモジュールのネイティブサポートが追加された。ネイティブサポートであるため、ブラウザは詳細な依存関係を取得しながら、キャッシュを利用し、ページ間の重複を回避し、スクリプトを正しい順序で実行することが、すべてビルド作業なしで可能になった」とGoogleは説明している。
Chrome 61では合わせて22件のセキュリティ問題が修正され、そのうち10件について、Googleはバグを発見した研究者らにこれまでに総額2万3500ドルを支払っている。その内訳についてGoogleは、重大性が高いと分類されたものが6件、中程度が3件、低いものが1件だったとしている。
今回リリースされたのは「Windows」「Mac」「Linux」向けだが、Android版Chrome 61もリリースされており、今後数週間以内に「Google Play」から入手可能になるという。
Android版のChrome 61では、パフォーマンスと安定性の問題が改善されるだけでなく、よりコンパクトで直感的に使える翻訳機能向けのツールバーが追加されたほか、画像選択機能も改良されるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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