中国企業のLenovoは、膨大な数のノートPCに問題のある広告ソフトウェアをプリインストールしていたとして、2年半にわたり米連邦取引委員会(FTC)と対立していたが、米国時間9月5日に和解に達し、この争いに終止符を打った。
FTCとの和解には32州の州検事総長が加わっており、これらの州はLenovoから和解金350万ドルを得る。
FTCは、Lenovoが2014年9月から12月にかけて、同社製ノートPCの一部にSuperfishという企業の広告ソフトウェア「VisualDiscovery」をプリインストールしていたとして告発した。VisualDiscoveryは、ユーザーのウェブ検索と閲覧行動を追跡して、訪問するサイト上に追加の広告を配信する。FTCによると、VisualDiscoveryはさらにユーザーのブラウザとウェブサイトのやり取りにも干渉して、ユーザーを深刻なセキュリティ上の脆弱性にさらすおそれがあるという。Lenovoは、第三者がそうした脆弱性を悪用して、ユーザーの通信にアクセスしたケースは一度も確認していないと述べた。
「レノボはこれらの指摘に含まれる主張には同意しないが、本件が決着したことをうれしく思う」と、同社は5日の声明で述べた。
FTCとの和解の一環として、Lenovoは一連の制限や指針に同意した。同社は、特定の種類の広告ソフトウェアをプリインストールする前に消費者の同意を得なければならなくなる。また、Lenovoは今後20年にわたり、ノートPCにプリインストールする大多数の消費者向けソフトウェアを対象に、ソフトウェア用セキュリティプログラムを実行する必要がある。
この件を受けて、LenovoはすでにPCにプリインストールするソフトウェアの数を制限する方針を取り入れたほか、セキュリティとプライバシーを精査するプロセスを導入したと述べた。同社はこうした対応について、今回の和解に沿うものだと説明している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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