近い将来、新しい車は相互に会話したり、地域のインフラとやり取りしたりできるようになる。それを実現するには、それができる車を開発する必要がある。そこで登場するのがQualcomm Technologiesだ。
Qualcommは、Cellular Vehicle-to-Everything(C-V2X:自動車と、他の自動車や道路インフラ、歩行者などとの通信)専用に開発した新しいチップセット「Qualcomm 9150 C-V2X」を発表した。このチップセットは移動体通信規格4Gと次期規格5Gの両方を利用し、車両やインフラとの間で情報を送信し合う。2018年後半にテストが可能になり、2019年までに量産車に搭載される予定だ。
自動車メーカーはすでに、これらの新チップを試用しようと列をなしている。Audiのほか、Groupe PSA(Peugeot、Citroenブランドを提供)も、Qualcommの新チップセットをテストすることで合意している。
最近の車は、ほとんどの移動体通信で通信事業者のネットワークを利用する必要があるが、Qualcommのチップはそうしたネットワークを利用する必要がない。このチップは、米連邦通信委員会(FCC)が短距離の車車間通信専用に確保している5.9GHz帯を使用して情報をやり取りする。
Qualcommで製品管理担当バイスプレジデントを務めるNakul Duggal氏は、次のように述べている。「C-V2Xは、路上での安全を高める新たな能力を伸ばし、無人運転や高度なコネクテッドサービスを強化することによって、自動車業界に寄与する。C-V2Xは、より安全な交通を支え、生産性を高め、交通渋滞を緩和するはずだ」
V2X通信は、自動車の安全に大きな恩恵をもたらす可能性がある。このシステムでは、渋滞圏内に入りつつあるドライバーに別の経路を提案することで渋滞を緩和したり、徐行や迂回、交通事故などの緊急事態を知らせたりできる。緊急車両が自らの存在をより効果的に伝えることもできるかもしれない。いわば、路上の至る所に無数の目を追加するようなものだ。
現時点で、V2X技術の利用は非常に限られている。Audiはラスベガス市と提携して信号機にV2Xを組み込むことで、特定の新しいAudi車のドライバーを対象に、信号が赤から青に変わるタイミングを知らせる取り組みを始めている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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