シャープは8月31日、8K解像度を持つ液晶テレビ「AQUOS LC-70X500」を発表した。世界初の民生用8Kテレビになる。同日に台湾、中国、日本、欧州/ロシアで世界同時発表した。日本での発売は12月1日。想定税別価格は100万円前後。
LC-70X500は、7680×4320ピクセルの8Kパネルを搭載し、バックライドには直下型LEDを採用した8K液晶テレビ。地上、BS、110度CSデジタルチューナを内蔵する。2018年に開始予定の8K実用放送に合わせ発売する「8K放送対応受信機」を接続すれば、8K実用放送も視聴できる。
本体には8K解像度へのアップコンバート機能を備え、4Kコンテンツや地上デジタル放送、BDソフトなどを、アップコンバートして視聴することが可能。デジカメで撮影した高解像度の写真データも、元の解像度のまま表示できる。
シャープは、2015年10月に85型の8Kモニタ「LV-85001」(発表当時の想定価格:1600万円前後)、4月に70型の「LV-70002」(同:800万円程度)を発表しているが、民生用モデルの発表は今回が初めて。
業務用モデルとの価格差については「業務用モデルは、各種の個別サポートを含む価格で、モニタとして放送業界向けの画質調整やガンマカーブの個別対応なども含めていたため高価になった」(シャープのTVシステム事業本部 副事業本部長の喜多村和洋氏)と説明した。
シャープの取締役8Kエコシステム戦略推進室長である西山博一氏は、「シャープでは、8K試験放送用受信機も開発しており、放送メディアの変遷に貢献してきた。8Kは放送分野に限らず、大きな可能性を持った技術。医療や教育、セキュリティなど、さまざまな“8Kプラスアルファ”が考えられる。シャープは表示領域に強いが、それ以外に弱い部分もある。強みはさらに強化し、強くない部分はパートナーを探し協業しながらいいものを生み出していきたい」と、「8Kエコシステム」に対する考え方を話した。
8Kの実用放送開始は2018年の12月。放送開始1年前の前倒し発売については「私たちとしては、もう1年後に迫ったという期待感をもっている。マーケティングをしていく中にも8Kに対する要望は間違いなく存在し、需要は必ずあると思っている」(喜多村氏)とコメントした。
液晶パネルを選んだ理由については「高精細という意味では、液晶が現時点で世の中の天辺にいるデバイス。信頼性も高く明るい映像を実現できる。ただ有機ELは動画に強く黒がリアルに表現できるなどのメリットがある、デバイスがそろえば8K有機ELも視野に入れていきたい」(喜多村氏)と話した。
今回中国市場向けモデルは中国の工場で生産し、日本、台湾向けは日本の工場で生産する計画。中国での生産については鴻海グループの支援を得ているという。
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