「8Kのリーディングカンパニーとしての位置付けを早くに築いていきたい」――シャープのディスプレイデバイスカンパニーデジタル情報家電事業本部 副事業本部長である喜多村和洋氏は、4月12日に開催した70型8K映像モニタの発表会で、8K市場に向けた意欲をこう話した。
シャープでは2015年10月に85型の8Kモニタ「LV-85001」(発表当時の想定価格:1600万円前後)を発売。放送局向けのディスプレイとして、すでに100台強を販売しているという。新製品となる70型の「LV-70002」(想定価格:800万円程度)は「重い、取り回しがしづらい」といった、85型を導入した現場の声を受けて開発したもの。重量45kg(テーブルスタンド含む)と、85型の半分程度にまで軽量化したことに加え、消費電力も約470Wと、現行品の3分の1程度にまで抑えた。
7680×4320ピクセルの8K液晶パネルは、大阪の堺工場で作られたシャープ製。8K解像度でのHDR規格(HLG・PQ方式)にも対応し、高輝度、高コントラストの8K映像をリアルに再現する。
地上デジタル放送で使用されている色域を超える、広色域技術「リッチカラーテクノロジー」により、色再現範囲を拡大。エリアごとにLEDバックライトの輝度を制御する「メガコントラスト(ダイナミックレンジ拡張)」技術とあわせ、豊かな発色と輝きを再現する。
シャープでは、70型8Kモニタと同時に、8K/4K試験放送受信機「TU-SH1050」(想定価格:700万円程度)も発表。「2018年に向け、4K8K受信関連機器のラインアップを拡充していく。モニタにとどまらず、受信機や周辺機器を含めたラインアップをシャープから次々と導入し、他社に先駆けて拡充を図りたいと思っている」(喜多村氏)と、8K放送時代を見据える。
LV-70002の発売は6月30日。受注生産になっており、85型同様に導入先は放送事業者をメインにしている。そのほか、医療用途やデザイン用途、サイネージ、美術品のデジタルアーカイブ用途などを想定しているとのこと。販売台数は年間で200~300台を見込む。
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