シャープ、純利益は7年ぶり黒字に--ハイセンスに対する期待と現実は「大きなギャップ」

 シャープは、2018年3月期第1四半期(2017年4~6月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比19.6%増の5064億円、営業利益は前年同期の25億円の赤字から171億円の黒字に転換。経常利益は前年同期の223億円の赤字から改善して、171億円の黒字。当期純利益は前年同期の274億円の赤字から144億円の黒字となった。


2017年度第1四半期連結決算概要

シャープ代表取締役兼副社長執行役員の野村勝明氏

 シャープ 代表取締役兼副社長執行役員の野村勝明氏は「売上高成長率は、2016年度第4四半期の7.9%増から拡大。売上高が2桁以上の成長率になったのに加えて、コストダウン、モデルミックスによる改善などで、営業利益が大幅に改善。当期純利益は7年ぶりの黒字となった。また各セグメントでも黒字を継続しており、前年同期から大きく改善している」と総括した。

 営業利益では、売価ダウンで305億円、経費増で14億円のマイナス要素があったが、コストダウンとモデルミックスで244億円、販売増で220億円のプラス効果があったという。

 セグメント別業績は、2017年度から変更。IoT通信、健康・環境システム、エネルギーソリューションを統合したスマートホームの売上高が前年同期比4.2%増の1302億円、営業利益は同4.2倍となる99億円となった。

 「販路拡大効果があった携帯電話や、プラズマクラスターイオン関連商品、洗濯機、掃除機が好調であったことに加え、エネルギーソリューションも好調だった。コストダウン、経費削減の効果が大幅な増益につながっている」という。

 従来のビジネスソリューションを名称変更したスマートビジネスソリューションの売上高が6.9%減の721億円、営業利益が48.8%減の30億円。「サイネージを中心としたビジュアルソリューションが好調だったが、複合機の市場低迷がマイナスに影響した。これは一過性のものである」とした。


セグメントの変更

 カメラモジュール、電子デバイスを統合したIoTエレクトロデバイスの売上高が11.0%増の832億円、営業利益が3.5倍の17億円。「スマホ向けカメラモジュールの販売拡大、レーザーや半導体などの独自デバイスの販売拡大が貢献した」という。

 従来のディスプレイデバイスを名称変更したアドバンスディスプレイシステムの売上高が49.4%増の249億円、営業利益が前年同期の68億円の赤字から、67億円の黒字に転換した。

 「液晶テレビ事業が、売価ダウンやルートミックスの悪化があったものの、中国市場での販売拡大や欧州市場でのSKYTEC UMCの子会社化による上乗せがプラスに影響。ディスプレイ事業では、大手顧客向けスマホ用が好調に推移した。PCやタブレット向けの中型パネルや、車載用パネルも好調であった」という。


セグメント別売上高

セグメント別営業利益

 なお、6月末時点での自己資本比率は17.5%となり、3月末の16.6%から改善。有利子負債は、3月末から若干減少し、6571億円となった。

守りから攻め、構造改革から事業拡大へ

 野村副社長は「シャープは2017年度から、守りから攻めへ、そして、構造改革から事業拡大へと軸足を移し、次の100年に向けて持続的に成長できる企業を目指し、中期経営計画の有言実現に取り組む」とした。

 さらに、シャープが鴻海資本傘下で再建を開始して約1年を経過したことについて、野村副社長は「代表取締役社長の戴正呉氏の強いリーダーシップによって、経営スピードが格段に早くなった」とし、「戴社長の経営手法が、経営幹部に浸透したことが、3四半期連続で黒字化できた要因」と発言した。

 一方、米国のテレビ市場において、ハイセンスに譲渡したシャープブランドの使用権について、差し止めなどを求めている件については「現在係争中であり、基本的にコメントは差し控える」としたものの、「一部報道で、ハイセンスの国際事業担当子会社副社長のアレックス・チュー氏が、『シャープブランドによる米国におけるテレビ販売は、現在、前年比5割増と勢いががある』とコメントしていたが、我々がハイセンスに有していた期待との間には大きなギャップがある。米国訴訟において、電磁波に関する規制違反、表示に関する規制違反など、法令・安全規格違反などを問題とし、米国消費者の保護を主眼としている。また、7月18日に公表したように、ハイセンス製のスマートテレビが、当社の特許を侵害しており、訴訟を米国で提起している。シャープブランドの維持、消費者保護などのため、しかるべき法的手続きにおいて、法律上、契約上、公正な主張をしていく」とした。

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