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グーグルの新AR技術「ARCore」はアップル「ARKit」に追いつけるか - (page 2)

Sean Hollister (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2017年09月07日 07時30分
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 むしろ、類似点があれば、これから出てくるGoogle独自のARアプリをAppleの「iPhone」に移植するのも容易になる可能性がある、とBavor氏はほのめかしている。「どのプラットフォームでも『Googleマップ』が使えるし、『Google検索』も『Gmail』も使える。広範囲のデバイスに届けられ、ユーザーに使ってもらえることで、私たちが期待をかけているAR体験は充実していくはずだ」

 実際に、Googleが描くビジョンは、これまでにAppleが公式発表した内容より先行している。「Unreal Engine」や「Unity」のように大がかりな3Dゲームエンジンで動くだけでなく、Googleは実験的なウェブブラウザも開発中だというのだ。そのブラウザでは、「ウェブページが現実世界にまで拡張される」ことになり、Javaを使って開発すると、3Dの物体をウェブページから直接、周りの現実世界に持ち出せるようになるという。

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ARCoreの基本的な性能を示すデモ。
提供:Google

 Googleは、永続的に共有されるAR体験という壮大な構想まで抱いている。Bavor氏が思い描くのは、例えば自宅の前にデジタルグラフィティのレイヤを重ねるとか、分かりづらいコーヒーメーカーの使い方を来客に説明するためにデジタルの付箋を貼っておくといったことだ。

ARCoreの性能はARKit並みか

 Appleのビジョンと同じ方向に転換するというGoogleの決断は、きわめて理にかなっているが、追いつくまでの道のりは長そうだ。

 GoogleによるARCoreのデモでは、同社の新技術はしっかり、機敏に動いていた。「Android 8.0 Oreo」搭載のGoogle製端末「Pixel」でも、「Android Nougat」を搭載したサムスンの「Galaxy S8」でも同様だった。ただ、それがどのくらい優れているかは、はっきりしなかった。現実のテーブルの上に仮想の小さい木々が映し出されたり、マッチョのポーズをとるマンガの巨大なライオンが現れたりする。あるいは、コーヒーテーブルのサイズを測れたりもする。それでも、AppleのARKit(仮想の巻き尺を使ってみたい人はいるだろうか)や、Google自身のTangoで披露されてきた技術に匹敵するほどの性能と精度を備えていると感じられる点は、(今のところ)ほとんどなかった。

 共有AR体験も、デモで見せてはもらえなかった。今のところ、話に上っているだけだ。

 また、同社によると、ARCoreのソフトウェアはプレビュー版の終了までに1億台のAndroid端末(Android 7.0 Nougat以降が必要)で動作することを目指すというが、さすがにこれは大風呂敷というものだろう。市場に出回っているAndroid端末に搭載されているカメラとソフトウェアの種類の多さを考えただけでも、それは明らかだ。

 結論としては、ARCoreがARKitと肩を並べられるのか、それとも、まずまず優秀くらいなのか、判断するのはまだ早いというところだ。だが、期待はかけたい。

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デモでは、部屋の空きスペースに合う家具を検索する様子が示された。
提供:Google

Tangoが遺した夢

 ひとつ指摘しておいたほうがいい点がある。Googleは焦点をTangoから移しており、Bavor氏もARCoreブランドがそれに代わるとほぼ認めているが、複数のハードウェアセンサを使うというアイデアは、まだ生きているということだ。

 Tango対応端末のリファレンス設計をサポートしたQualcommが、ちょうど8月に、深度感知カメラに特化した機能強化も発表している。Qualcommの計画についてはコメントしなかったBavor氏だが、ARCoreは可能であれば追加のハードウェアセンサを使えるように設計されており、搭載する端末が増えてきたデュアルカメラにもおそらく対応すると語っている。

 「スマートフォンのセンサ機能は、これからますます増えてくると確信している」(Bavor氏)

 Lenovoの「Phab 2 Pro」と、発売から間もないASUSの「ZenFone AR」を最後に、Tango対応の端末は出ないものと考えられるが、それは、Tangoの開発に関わってきたチームが解散したという意味ではない。その何よりの証拠がある。Tangoの製品担当ディレクターNikhil Chandhok氏は、「多くの」Tango対応端末が出ると約束していた当人だが、そのChandhok氏が今回のデモを主導しており、そして現在ARCoreの製品担当ディレクターに就いているのだ。

 方法論は変わったかもしれないが、夢は生き続ける。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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