オフィス家具と技術の組み合わせで“働き方改革”--スチールケースと日本MSが協業

　オフィス家具メーカーのスチールケースと日本マイクロソフトは8月24日、働き方改革の推進に向けて協業し、Microsoft SurfaceとOffice 365を活用した「クリエイティブ スペース」を共同展開すると発表した。テクノロジを活用し、創造性を発揮しやすいオフィス環境の提案を通して、日本企業における働き方改革の普及を促進する考え。

クリエイティブスペースのひとつ「デュオスタジオ」。Surface Studioを使用して個人ワークをサポートしながら、2人が共同作業するクリエイティブ ワークができる

　クリエイティブスペースは、スチールケースのオフィスデザインや家具に、Microsoft Surface デバイスや統合型情報共有クラウドサービス「Office 365」がシームレスに統合されたオフィス環境。クリエイティブな思考、より良いコラボレーションを生み出すためにデザインされものとなっている。スチールケースとマイクロソフトが、グローバルにおけるパートナーシップを発表しており、日本展開もその一環。アジア太平洋地域では初めてとなる。

　南麻布にあるスチールケースワークライフ東京に最新のSurface HubやSurface Studio、Surface Book、Surface Proを配備し、さまざまななタイプのクリエイティブスペースを開設。日本マイクロソフトの品川本社オフィスの来客スペース内にも、クリエイティブスペースをコンセプトとした小規模なスペースを設置する。個別の商談やセミナー、働き方改革の取り組みを紹介するオフィスツアーなどを通じて、クリエイティブスペースを訴求していく。

　今後スチールケースでは、Microsoft Azure IoTテクノロジを活用したオフィスソリューションを発表予定。ワークスペースを改善する分析機能に加え、オフィスで働く人が、多様なオフィス環境の中から最適な場所を探し出しやすくなる機能 を提供するとしている。

　日本マイクロソフトでは、オフィスの移転や開設、レイアウト変更などを行う企業に対し、自社製品やサービスに加えてスチールケースのソリューションも提案していく。また、Surface Hubの取次リセラーにワークプレースソリューションズが参加し、スチールケースの販売網を通じてSurface Hubを販売する。さらに、日本マイクロソフトが展開する「働き方改革推進会社ネットワーク」の賛同法人向けに、クリエイティブスペースを紹介するセミナーをスチールケースと連携して実施するとしている。

デュオスペースでは、作業のほかに他の人を招き入れ、Surface Hubを活用した意見交換やリラックスして休息できるラウンジ的要素も含まれている

　日本での展開にあわせて、スチールケース CEOのジェイムス・P・キーン氏、同コミュニケーション バイスプレジデントのゲイル・モートレイ氏、日本マイクロソフト 代表取締役社長の平野拓也氏が記者向けの説明会に登壇。

　キーン氏は生産性の向上を考えるのであれば、働く“場”も重要だとしたうえで「建築と家具という物理的な要素と、マイクロソフトの技術を組み合わせることによって、創造性を最大限発揮でき、潜在能力の解放につながる」と語る。モートレイ氏は「“場”が人間の行動を変えていく。その場で働く人がどのような仕事をするのかを理解したうえで、デザインと技術を掛け合わせたオフィス環境を整えることが重要」とした。

　平野氏は、クラウドソリューションを通じて“いつでもどこでも仕事ができる”という、働き方に対してフレキシブルな環境を提供できるようになったとしたが、「それだけでは十分ではない状況になってきている。より豊かな想像力を発揮し、組織としてベストなオフィス環境を作るかがポイント。長年の人間工学やリサーチに基づくオフィスデザインや家具とテクノロジが融合融合したクリエイティブスペースは、日本市場においてインパクトのある提案となる」と期待を寄せた。