AndroidのOSはオープンソースですので、誰もがコードを見られるという特性があります。そのため、何か問題があった場合にはセキュリティの専門家から指摘を受け、非常に短期間に対応しています。また、開発者がGoogle Playにアプリをアップロードした際に、そのアプリをグーグル側でチェックし、安全だと確認できなければ配信されないようにしています。
それでも、ユーザーによっては安全性やプライバシーに懸念が残るという人もいます。そこで、もう1つのレイア―としてGoogle Play プロテクトを作りました。毎日自動的にユーザーのデバイスをスキャンして、セキュリティ上の問題がないかを確認するものです。自動的なチェックに加えて、より頻繁に確認したい人は手動でチェックすることも可能です。
アルゴリズムについては、以前はアプリは人気度でランキング表示していましたが、現在は人気度と品質で決めています。ユーザーのレーティング、クラッッシュレポート、ダウンロードの時の速度、データ要件などから順位が決まります。ベストなアプリを提供するには人気だけでなく品質も重要だと考えます。
――豊富なデバイスに搭載できることがAndroid OSの特徴でもありますが、どのようにしてデバイスやOSごとの品質を保っているのでしょう。
毎年新たなバージョンのAndroid OSが出るわけですが、特定のバージョン以降でないと使えないアプリは、それ以前のバージョンのデバイスのストアにはそもそも表示されないため、ダウンロードできません。逆に言えば、ストアに表示されたアプリはそのデバイスで問題なく使えるということです。
Androidの開発環境である「Android Studio」では、世界でどれくらいの人がどのバージョンのOSを使っているのかを開発者が確認することができます。そのデータをみて、どのターゲットに向けて、どのバージョンのアプリを作るのかを決めることができるのです。
また、発展途上国では安価なデバイスしか買えない人が多い。そうした人々にもすばらしい体験を提供したいと考え、5月に軽量版のAndroid OS「Android Go」を発表しました。このOSがインストールされたデバイスは、箱から出した時点で端末スペックに最適化された状態でサクサクとした動作で使うことができます。
アプリストアもAndroid Goを搭載したデバイス向けのランキングとなっており、非常にパーソナライズされた体験を提供できます。安価なデバイスが快適に使えればさらなるユーザーの拡大につながり、開発者も新たなユーザー層を獲得するチャンスが増えるのです。
――今後、Google Playにどのようなコンテンツを増やしていきたいですか。
もちろん、すべてのコンテンツです。ただ、ゲームなどでもまったく新しいカテゴリのゲームを作ってもらえると嬉しいですね。2016年に登場した「Pokemon GO」は初のマスマーケット向けのARゲームになりました。非常に人気のあるタイトルと日本的なコンセプトで、世界中で受け入れられました。こうした今までに存在しなかったゲーム体験を提供するようなクリエイティビティに期待しています。
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