ヤフーは7月18日、HTML5とクラウド技術を活用したブラウザゲームプラットフォーム「Yahoo!ゲーム ゲームプラス」のサービスを同日から開始した。
同社では「Yahoo!ゲーム」という形でゲームプラットフォームサービスを展開しているが、今回のゲームプラスでは、HTML5ならびにクラウドの技術を活用し、ブラウザ上で緻密な描写や多彩な動画表現を実現することによって、高品質なゲームの配信が可能としている。
PCやスマートフォン、タブレットなどデバイスを問わずに遊ぶことができるほか、ネイティブアプリや専用プレイヤーソフトのダウンロードが不要となるため、デバイスの容量を圧迫しないことが利点となっており、通信環境などが整っていれば、いつでもどこでも高品質なゲームのプレイができるとしている。
利用にはYahoo JAPAN IDの会員登録が必要。料金は基本プレイ無料のゲームのほか、月額などのプレイチケットが必要となるものもあり、タイトルによって異なる。サービス開始時点ではHTML5ゲーム12本、クラウドゲーム27本の計39タイトルを用意する。
同社ではこの日発表会を開催。ヤフー副社長執行役員 最高執行責任者である川邊健太郎氏は、足かけ3年間取り組んでいたことを明かし「今までハードに縛られていたゲームが、いつでもどこでも自由にウェブでできるようになる。長いゲームの歴史における新たな挑戦。このゲームプラットフォームを通じて、ゲーム業界全体の未来に貢献したい」と語った。
参入企業は発表時点で52社。スクウェア・エニックス、タイトー、コーエーテクモゲームス、レベルファイブ、角川ゲームス、サイバードなどといった大手ゲームメーカーやモバイルゲームメーカーが参入を表明している。
スクウェア・エニックスからは「ファイナルファンタジーX/X-2 HD リマスター」や「ファイナルファンタジーXIII」シリーズの3作品、「THE LAST REMNANT」「いけにえと雪のセツナ」といった、家庭用でも人気が高かったタイトルを用意したほか、チェスやリバーシといった知的ゲームと王道RPGコマンドバトル要素を取り入れた完全新作「ANTIQUE CARNEVALE」をサービス開始と同時に配信。このほかにも登壇したスクウェア・エニックスの松田洋祐氏からは、ブラウザゲームとしての「ファイナルファンタジー」新作制作も表明した。
このほか、タイトーからは第1作目に「パズルボブル」の配信を発表。コーエーテクモゲームスはコードネーム「TUNE」と呼ばれる新作を開発中。角川ゲームスは、アドベンチャーゲーム「√Letter ルートレター」と、完全新作「魔女とネコ」を発表。サイバードは「イケメン戦国◆時をかける恋」の配信を発表した。
発表会ではゲストとして、お笑いコンビ「インパルス」やグラビアアイドルの倉持由香さん、将棋棋士として知られる加藤一二三さん、女優の佐野ひなこさん、声優の花江夏樹さんが登壇し、デモプレイを披露。ANTIQUE CARNEVALEを使用したデモでは、スマホやPCのカメラを使用してプレーヤーの表情も併せて映し出すゲーム映像の配信が可能ということで、ライブ配信の手軽さをアピール。また、ファイナルファンタジーX HD リマスターのデモでは、ブラウザにもかかわらず家庭用ゲーム機と見劣りしない演出再現に驚きの声が挙がっていた。
ゲームプラス事業部 ビジネスプロデューサーの脇康平氏からは今後の展開と可能性として、まず開発が進められている「チョコボのチョコッと農園」では、ライフケア「歩数計機能」と連動し、歩いた歩数によってゲーム内コインをもらうことができるという。このほかにも、モノやサービスをつなげるプラットフォーム「myThings」を活用し、ライフサービスとの連携施策も検討。たとえば位置情報と天候情報を活用し、プレーヤーの現在地が雨ならゲーム中でも雨が降るといった、リアルな天候情報をゲーム内に反映していくことや、プレーヤーの体重データと連動してアバターの容姿が変化するといったこと、何度も同じ場面でクリアできないときには、その攻略情報の映像が配信されるといったことなどが考えられるという。
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