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「Firefox 57はビッグバンを引き起こす」--モジラCEOインタビュー

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2017年08月15日 07時30分
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 Mozillaの最高経営責任者(CEO)Chris Beard氏は、同社の困難な時期を率いてきた。

 Beard氏就任前の2014年の春、Mozillaは「Firefox OS」で、モバイルソフトウェアの2強である「Android」と「iOS」に戦いを挑んでいた。当時、PCブラウザの「Firefox」はユーザーを「Google Chrome」に奪われていた。さらに、共同創業者で当時のCEOであったBrendan Eich氏が反同性婚活動を支援したことで騒動になり、CEOを退任したために同社は不安定な状況に陥った。

 Beard氏は2004年にMozillaに加わり、2013年にはベンチャーキャピタル企業のエグゼクティブインレジデンスを務めるために同社を離れていたが、Mozillaの経営危機に際して復帰し、CEOに就任した。

 今回米CNETが行った単独インタビューで、Beard氏は「Mozillaが生き残れないかもしれないという危機感を実際に感じた」と語った。

 Beard氏就任後の3年で、MozillaはFirefox OSを終了してFirefoxを見直し、同社初となる買収や仮想現実(VR)などの新分野に投資を行ってきた。

 11月には新バージョン「Firefox 57」のリリースが予定されている。Googleなど少数の巨大企業に支配させるのではなく、ウェブの独立性を高めていくことが同社の目標であるという。Beard氏はFirefox 57への期待についても語った。

 以下に、インタビューを編集して紹介する。

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Chris Beard氏(米カリフォルニア州マウンテンビューのオフィスにて)
提供:James Martin/CNET

--何億人ものユーザーがFirefoxを使っているにもかかわらず、人々はMozillaのことをあまり詳しく知りません。Mozillaについて、大まかに説明してもらえますか。

 (90年代の)ブラウザ戦争の終わりに生き残ったのは、Microsoftでした。その後、Microsoftはブラウザチームを解雇しました。それは、空想世界の物語にあるように、悪の帝国が不正な手段を使って権力の座を奪い、青空が消え、あらゆる悪魔や悪い妖精が突然はびこったような状態でした。その当時、ウェブやインターネットで期待感を生み出すようなことはあまり起きていませんでした。

 Mozillaの目標は、そうした状況から生まれました。この問題を何とかしようと試みるのは誰なのか、私たちなら「Internet Explorer」(IE)よりも良いものを作れるかもしれない、そしてウェブとインターネットが持つ潜在能力を発揮できるように手助けすることもできるかもしれない、と考えました。

 Mozillaが本当に結束しだした当時の私たちの使命は、そうした環境を前にして、選択の自由と技術革新を促進することでした。私たちのアプローチ方法は、人々をワクワクさせること、つまり、どんな可能性があるのかを示す製品を人々に提供し、それと同時により良いエコシステムも実現することでした。私たちは今、そのアプローチについて、インターネットを、オープンで誰でも利用できる状態にし、健全かつ善良なものにする、という風に表現しています。Mozillaは、ひとりひとりのユーザーがより良いオンライン生活とオンライン体験を享受できるように努めることを最重要視する組織です。ユーザーが自分の体験を自分でコントロールできるようにしたいのです。

--Mozillaは、ブラウザの競争を再燃させ、ポップアップブロックやタブ、そのほかのパフォーマンスおよびセキュリティ機能によってブラウザを進化させることで、IEとの戦いで勝利を収めました。ただし、それは昔の話です。現在の悪の帝国は誰なのでしょうか。

 当時、Microsoftがあっけなく倒れることを誰が想像したでしょうか。私たちが「Firefox 1.0」をリリースした頃、それが一定の成功を収めた後も、「あなたたちは頭がおかしい。あの巨大企業に押しつぶされるぞ」とよく言われました。私たちは、いわゆるウェブのカンブリア爆発は自分たちの功績だと言うほど厚かましくはありません。Firefoxがリリースされたとき、YouTubeもTwitterもFacebookもまだ存在していませんでしたから。

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