Firefoxは市場に後れをとり、期待にも追いつけず、人々が本当に求めているものを実際に把握できていませんでした。Firefoxの熱烈なファンだった人や私たちの使命や目的を信じてくれた人の多くが、今ではChromeユーザーになって満足しています。Chromeは結局、Firefoxより優れた製品体験を彼らに提供し、Mozillaが提供したほかのさまざまな利点も打ち負かしたのです。私はそうした状況をしっかりと認識しています。
Firefoxは私たちの出発点です。私たちはそこに回帰して、Firefoxを役に立つ製品にしなければなりません。デスクトップは死んだ、と世界中で言われています。しかし、個々のユーザーはコンテンツ制作やEコマース、多くの綿密な作業などに今でもデスクトップコンピュータを使用しています。
--「実存の危機」はもう乗り越えましたか。
私たちには、Firefoxのアップデートを毎日確認してくれるユーザーが約1億人強います。月間アクティブユーザー数はその3倍です。私たちの2017年の目標は、成長することです。
現在のFirefoxを3年前に提供されていたものと比較したら、応答性からクラッシュ率、セキュリティまで、本当に向上した要素がたくさんあります。私たちは、多くのユーザーを取り戻すつもりです。彼らは既に戻ってきつつあります。今後、彼らは大挙して戻ってきてくれるでしょう。
ユーザー数だけでなく、私たち自身も成長します。ここで、「Firefox Focus」ブラウザ(スマートフォン向け)や「Context Graph」(ウェブサイト発見ツール)などが関わってきます。ほかにも「Project Prox」と「Paths」「Flint」という、3つのモバイルファーストの実験的取り組みを手がけています。
ビジネス的な観点から見ると、私たちは非常に安定しています。中核的な財務状態は今後、大幅に好転するはずです。2014年末に新たな検索戦略を発表したことは、私たちにとって大きな転機でした。売上高の98%を占めるパートナーで、Mozillaとしては全世界で唯一のデフォルト検索エンジンだったGoogleとの契約を解消し、3~4の大手の検索パートナー、61の小規模なパートナーと提携しました。
--11月にリリース予定のFirefox 57は、Mozillaにとって重要な試金石となります。2016年や2015年のものと比べてどのように変わるのでしょうか。
最終的にはビッグバンのような抜本的な変化をもたらします。
Firefox 57ではユーザーインターフェースを大幅に刷新します。このUIはあらゆる新しいハードウェア最適化とアクセラレーションを活用するので、非常に期待できるものになると私たちは考えています。Firefox 57には、ブラウザエンジンを大幅に強化する「Project Quantum」の最初の要素が搭載されます。具体的には、「WebRender」と「Stylo」(より高速な中核的ブラウザコンポーネント)が含まれます。多くの人々が、「Firefoxが非常に遅く、膨張していたので、4年前にChromeに乗り換えた。けれど、今日Firefoxを試して、びっくりした。Firefoxの方がChromeより速い」と私たちに話してくれます。既にさまざまなことが始まっています。Firefox 57の後のリリースでは、それを加速する要素を追加する予定です。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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