Mozilla製ブラウザの新バージョン「Firefox 54」は、速度と安定性の点でGoogleの「Chrome」、Appleの「Safari」、Microsoftの「Edge」にある程度追いついたようだ。
これを実現するのは「Electrolysis」(略称「e10s」)と呼ばれる技術だ。Mozillaがこの技術に着手したのは何年も前だが、技術的問題によってそのほとんどを2011年に中断していた。Electrolysisは、異なるコンピューティングタスクを別々のプロセスに分割し、それぞれを独立したメモリコンパートメントに割り当てる。このアプローチは、本来ならブラウザ全体を減速させクラッシュさせる可能性もある問題を分離する。
Mozillaは、2016年にElectrolysisを再開させ、ブラウザのユーザーインターフェースの応答性を改善する機能を実装した。Mozillaは今回のFirefox 54で、複数ウェブサイトで処理が相互に影響しないようにすることにより、さらに一歩進んだ。
Firefox担当バイスプレジデントを務めるNick Nguyen氏は、米国時間6月13日のブログ記事で次のように述べた。「パフォーマンスの改善は顕著だ。さらに高速化してクラッシュが減少しただけでなく、e10sによってウェブサイトがよりスムーズに感じられる」。「Facebook」のニュースフィードのようなデータ量が多いページも、スムーズに整然と表示されるという。
そうした約束を果たすことが、Firefoxに戻るようユーザーを説得するカギとなる。Firefoxは10年前、Microsoftの「Internet Explorer」の停滞を尻目に躍進したが、近年はChromeがFirefoxのお株を奪い、膨大な数のユーザーを獲得している。
Firefoxの復活を示す証拠はいくつかある。各種ブラウザの利用者数を追跡しているNet Applicationsの調査「NetMarketShare」によると、Firefoxのユーザー数のシェアは過去1年で8%から12%に増加した。ただし、このデータは、ユーザーのネット利用時間がますます増えているモバイルデバイスを除外している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス