WWDC 2017で披露されたiOS 11のデモでは、新しくなったコントロールセンターに注目が集まっていたが、個人的に、iOS 10から気になっていたのがロック画面についてだ。iOS 10では、ロック画面でありながら、「Touch IDでロック解除している状態」が存在していた。そうしておくと、届いている通知になんらかの編集を行う際やウィジェット操作を行う際に、追加のロック解除を求められなくなる。
裏を返せば、ロック画面なのに、ロック解除後の作業ができる、という状態が存在していたことになる。以前から「ロック解除済みのロック画面」というなんとも解釈しにくい状態の存在が、気になっていたのだ。
そして、iOS 11では、そのロック画面が通知画面と融合した。つまり、ユーザーはいつでも、画面上部を下にスワイプすれば、ロック画面のデザインを呼び出せる。もちろん、何かアプリの操作をしていて通知画面を呼び出すわけで、ロックは解除されていない。
ここで考えたのは、ロック画面と通知画面の融合は、ユーザーにとって、ロック解除を意識させなくなるのではないか、ということだ。そうしたアイデアは、現在ささやかれているiPhone 8へのTouch ID非搭載の話と符合する。ホームボタンが廃止され、指紋センサの搭載場所について、前面のディスプレイ内か、背面、といったアイデアが出ていたが、非搭載という選択肢も語られるようになったのだ。
その代替として、3D顔面認証、おそらくFace IDあたりの名前になると考えられるが、顔によるロック解除や各種認証を行うことになる、というのだ。
顔面認証の場合、指紋と違って、何か特別な操作をしなくても良い。もしロック解除をしたければ、端末を自分の方に傾ければ済む。
現在のiPhoneでは、モーションセンサを使って、端末を持ち上げれば画面が点灯する仕組みが備わっており、iPhoneを見る動作で、画面の点灯と顔面認証が済んでいる状態を作り出せるのだ。
液晶ディスプレイと有機ELディスプレイにおける「黒」と「白」は、真逆の意味合いを持つ。液晶ディスプレイにおける「白」は、偏光フィルタに何も出さず、バックライトの光がそのまま目に届いている状態だ。黒は、電力を使って偏光フィルターで光を遮っていることを意味する。他方、有機ELディスプレイの場合の黒は消灯、それ以外の色は点灯だ。
つまり、液晶ディスプレイと有機ELディスプレイでは、省電力となる表示方法が真逆で、液晶は白、有機ELは黒が、それぞれより電力が少なく表示できることになる。
iOS 7以降、白を基調とした画面デザインが採用されており、iOS 11でもそのデザインが引き続き採用されている。しかし、iPhone 8で有機ELディスプレイに変更されると、省電力を追究する表示方法ではなくなるのだ。
iOS 11のアクセシビリティの視覚サポート機能にある「画面の色を反転させる」は、単純に色相を逆転させる機能だったが、これに、背景と文字を反転させ、それ以外の画像をそのままのカラーで表示する「スマート」というオプションが追加されたという(iOS 11’s new ‘Smart Invert Colors’ is the closest thing to Dark Mode yet | 9to5Mac)。
標準の時計アプリはもともと黒い背景で構成されており、今までの色の反転機能を使うと、白い画面になってしまっていた。しかし新しいスマート反転機能を使うと、もともと黒かった画面は黒いまま表示されることになる。
つまりこの機能を使うと、iPhoneの画面全体がダークモードで表示される形になり、有機ELディスプレイにとって、最も電力効率の高い画面表示を実現することになる。
たとえば、電池が20%以下になると移行を促される「省電力モード」のオプションに、画面を黒くするオプションが追加されたり、新しいコントロールセンターで、一発でダークモードに移行するボタンを配置できるようになるかもしれない。
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