7月11日〜7月17日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。Appleは6月に開催されたWWDC 2017で、iOS 11に拡張現実のフレームワーク「ARKit」を採用した。Appleはこれにより、iOSが「世界最大の拡張現実プラットホームになる」と指摘する。その理由は、iOS 11にアップグレードすれば、iPhone 6s以降、iPad Pro以降の既存のスマートフォンやタブレットで、ARに対応するアプリを動作できるようになるからだ。
その汎用性の高さを強調する理由は、開発者に対して、iOSプラットホームでのARアプリの開発を安心して進めても良いとアピールするためだ。しかしながらAppleがARKitのデモとして披露したのは、平面認識とオブジェクト配置、という非常に基本的なものだった。
たとえばGoogleのTangoなどのARプラットホームでは、平面だけでなく壁面などの認識にも対応しているし、FacebookのARアートは、同社の社屋の壁面を大胆に飾る作品を楽しめる。これらに比べると、Appleのデモは地味なものと評価せざるを得ない。
それでも、より多くのデバイスでARアプリを動作させられる点を優先し、また強調したのは、Appleのプラットホームとしての責任と、開発者に対する緩やかな移行を促す狙いがあり、意味があることだった。
しかし、AppleがAR最大のプラットホームと自らを評するには、より汎用的なARだけでなく、より高度なアプリの実現が可能である点も示すべきだ。そのためには、Tangoがそうであるように、なんらかの立体や空間を認識するカメラセンサが必要になってくる。
これを、iPhone 8に搭載するというシナリオは、さほど突飛なアイデアではない。
「iPhone 8」、背面に3Dレーザーシステム搭載か--AR強化へ(7/14)Appleは中国に、新たにデータセンターを開設する。Appleが中国に対する10億ドルの投資を行う中で、中国国内のデータセンターを整備し、今後中国国内のユーザー向けのデータを移していく計画だ。
この計画を実行する理由は、中国で2016年に制定された新サイバーセキュリティ法に対応するためだ。この法律では、中国国内のユーザーのデータは中国国内に置かなければならないとしている。米国等のテクノロジ企業は、中国による検閲の強化につながるとして反発をしていた。
Appleは中国当局のこうした動きに対して、神経質に対応してきた企業の1つだ。例えば中国のApp StoreからThe New York Timesアプリを削除したり、3月に発売したiPhone 7 PRODUCT (RED) Special Editionについて、単なる赤いiPhone 7として販売を開始した経緯がある。
赤いiPhoneについては、中国でエイズ患者が増えており、中国政府の怠慢と不名誉であるとの批判があることから、当局を刺激しないための措置、と考えられる。
今回のデータセンターについても、Appleの中国における円滑なビジネス拡大のため、法律に従うものと捕らえることができる。ただし、Appleは中国向けのiCloudやiMessageに関しても、他国と同様のセキュリティとプライバシレベルを維持するものと考えられる。つまり、中国当局がデータの請求を行ったとしても、暗号化されたデータ以外に渡せないと回答する可能性が高い、ということだ。
アップル、中国でデータセンター開設へ--新サイバーセキュリティ法に対応(7/13)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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