アマナが教える“知っておくべき著作権”--模倣、無断流用のリスクから引用の方法まで - (page 3)

著作権を守りながらクリエイティブをするには何が必要か

 著作権を遵守しながらクリエイティブをしていくには何が必要なのか。佐々木氏は「制作に関わる人すべてが『センシティブ使用』を意識すること」と話す。センシティブ使用とは、被写体の関係者が不快と感じる可能性がある表現や使用方法のこと。薬、病気、架空の体験談や、犯罪、差別、暴力を想起させるもの、政治、宗教、ギャンブルなども該当する。

 「例えば子どもが泣いている写真に家庭内暴力を感じさせる文言が入っていれば、クレームになる。ガイドラインはあいまいだが、モデルが嫌がる文章が入っていたりするとクレームが来ることがある。ガイドラインは曖昧なため、利用側の配慮が必要。使用する前には必ず申請をすること。複数人が写っている画像の中で、一人でも嫌だと言えば使用はできない」という。

 センシティブ使用の事例は最近増えてきたケースの1つ。佐々木氏は「制作現場では、面白さや目の引きやすさを優先してしまいがちだが、客観的な目線を持つことは大事。センシティブ使用について、最初に確認することで、多くのリスクを避けられる」と強調する。

 「各種のクリエイティブには、スピード、正確性、安全が求められる時代。権利処理が曖昧な素材は使わないことが重要。クリエイティブをデザイナーなど依頼先に任せきりにせず、リスクを考え、関わる人が全員が意識を高めることが重要だ」と佐々木氏は締めた。

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