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アマナが教える“知っておくべき著作権”--模倣、無断流用のリスクから引用の方法まで - (page 2)

加納恵 (編集部)2017年08月07日 15時28分
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他人の著作物をクリエイティブに利用できる方法とは

 インターネットの普及による、情報拡散スピードアップとともにデジタル化による「複製のしやすさ」も現在の大きな課題だ。佐々木氏は「デジタル時代は安易にコピーができるが、正しく使わなければ信頼は一気に失墜する」とその怖さを話す。

 しかし、他人の著作物を独創的な表現として利用したいケースはクリエイティブの現場においては起こり得ること。そこで利用したいのが「アートリファレンスサービス」だ。これはオリジナル作家に事前に申請することで、著作物の利用許可を得るサービスのこと。きちんと許諾をとることによって、使用できるケースもあるので、覚えておきたい。

 「オリンピックのエンブレム問題は、エンブレムのデザイン自体は問題なかったが、その後公開したパース画に使用された写真がネット上の無断借用だったことが問題になった。ネット画像の無断コピーは複製権の侵害になり得るため安易な使用はNG。しかし、引用することで使用が可能になる」こともあるという。

 引用を満たす条件として

  • 公正な慣行に合致していること。
  • 引用元が正しく明記されていること。
  • 引用部分が本編と明確に区別されていること。
  • 本編がメインで引用がサブであること。
  • 本編との関連性、必然性があること。

の5つのルールをクリアする必要がある。佐々木氏は「ネット画像の使用は著作権侵害につながるリスクがあるが、完全にやめてしまうと現場が滞ってしまう。引用を活用することで正しく利用し、クリエイティブの幅を広げてほしい」とつけ加えた。

昼はOKだけど、夜はNG。時間帯によって適用が変わる建造物は

 

 アマナイメージズが数多く取り扱うストックフォトについても言及した。ストックフォトには、使用する媒体によって使用期間や料金が決まるライツマネージド(RM)と、一度購入すれば自由に使え、期間も限定しないロイヤリティフリー(RF)の2つがある。使用の際に気をつけたいのは「画像に付いているキャプション、キーワード、画像内容の正確性は原則保証されていないこと。これは作品供給者からの情報がベースになっており、画像提供会社は文字情報については保証していない。例えば昆虫など、似ている画像が多い場合は必ずチェックすること」と佐々木氏は注意を促す。


ストックフォトには使用期間や料金が決まるライツマネージド(RM)と一度購入すれば自由に使えるロイヤリティフリー(RF)の2つがある

 さらに、ユーザー投稿型のストックフォトサイトについても「アマチュアカメラマンが作品を提供しており、キャプションの精度は決して高くない。ここも注意が必要」とした。

 佐々木氏は、特に気をつけたい画像として「建物」を挙げる。「著作権法上、使用に対しての問題は少ないが、管理者がクレームをつけてくることが非常に多いのが建物画像。トラブルが最も多い画像と言える。建物によって、そのリスクはさまざまだが、基本的には管理者への申請を推奨する」とのこと。

 海外の事例では、仏国にあるエッフェル塔は夜にライトアップされた状態の撮影に限り申請が必要になるとのこと。「日本でも新宿御苑や赤レンガ倉庫はストックフォトとしての取り扱いが禁止されている」(佐々木氏)とのことだ。

 一方で、許可取りが複数に及ぶケースもある。佐々木氏は損害賠償にまで発展した事例として、2013年に起きた「ねぶた祭りの写真」のケースを紹介した。

 「ねぶた祭りの写真を雑誌広告に使ったもので、デザイナーは、カメラマンの許可を取り、画像を使用。しかしねぶたの管理団体から損害賠償を起こされ、700万円の賠償金を支払う事態に発展した。この場合カメラマンだけではなく、ねぶた制作者にも申請が必要だった。ねぶたの張子は彫刻などと同様に、著作物の対象になっている。こうした確認ミスは大変な事故にもなりかねない」とのことだ。

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