決算書を読めるようになる本は、もちろんこれまでにも数多く出版されているが、小説を読むように読み進めていける本は初めてだ。まさに今、この時点で気になる数々の企業の決算から、これほど面白いことが読み取れるのかと、わくわくしてくる。本書のそこかしこで、著者が「決算からはこんなことが分かるんだよ。ほんとに面白いんだよ!」と興奮しているのが伝わってくるからだろう。
たとえば、ショッピングサイトのZOZOTOWNの「ツケ払い」について。筆者はZOZOTOWNのユーザーだが、この「ツケ払い」という文字は、いや応なしに目に入ってくるので気になってはいた。だが、このシステムがいかに面白く優れているのか、それがどのように売上に貢献するものかは、本書を読むまで想像もしていなかった。ファイナンス系のPayPal、おなじみのAmazonやYahoo!ショッピングなどといった有名な企業の決算や、最近ではその存在感を増しているMVNOと携帯各社の決算のほか、MicrosoftによるLinkedInの買収などといったM&Aの話まで、非常に興味深い話が続く。
数字が苦手で「決算」と聞くと尻込みしたくなる人でも、とりあえず、10ページも読んでみれば、続きが気になって、読まずにはいられなくなるはずだ。そして、読み終わる頃には、苦手意識が少し解消されているだろう。
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