FiNCは7月12日、パーソナルトレーナーAIアプリ「FiNC」をインストールしたスマートフォン持って歩くと、歩数に応じて吉野家のサラダなどが無料でもらえたり、ケニアの子どもたちに給食が贈られたりするプロジェクト「FiNCウォーク」を開始した。
FiNCウォークの開始にあたり、賛同企業6社による店頭特典、スペシャルサポーターの参加、賞品が当たるアプリ内イベント「スタンプラリー」と「スナップコンテスト」を開催する。
特典は、FiNCウォークに参加して1日あたり歩数5000歩を達成すると、FiNCアプリのキャンペーンページで各社のクーポンがもらえる。それを店頭で提示すれば特典が受けられるしくみだ。
賛同企業のひとつである吉野家 代表取締役社長の河村泰貴氏が発表会に登壇した。同社は、さらなる成長に向け、「ひと」「健康」「テクノロジ」の3つのキーワードを掲げ、「飲食業の再定義」を目標にしていると説明した。吉野家自身も、歩数と連動したクーポンアプリを自社でも提供している。
河村氏は、「吉野家は、“ハレの日”のレストランではなく、ウイークデーのランチや残業食、週末に家族での食事に利用いただくことが多い。日常の食事を担っている自負があるから、高齢化社会の中で健康というキーワードはお届けしていかないといけないと思っている」と語る。
吉野家では、2016年には半日分の野菜と玉ねぎがとれる“ベジ丼”を、2017年7月からは食後血糖値の上昇を穏やかにする栄養補助食品を使った“サラシア牛丼”をスタートするなど、健康に気を配ったメニューを開発している。
サラシア牛丼は、「味は通常の牛丼と変わらないのが特徴。開発は4年くらいかけた」(河村氏)と意気込む一方で、これまで「吉野家にそんなものは求めていない」といわれることもあったと振り返る。
今回の取り組みに参画する狙いは、新たな客の開拓だ。「健康に気を配れる行動をとる人はリテラシーが高い人なのではないか。それは、吉野家が狙っていきたい客層。そういう方に利用いただくことで、インフルエンサーになっていただき、健康管理に関心・興味が高い人が増えることで、(ベジ丼やサラシア丼といった)商品群も、世の中の方々に喜んでもらえるようになるのではないか。健康に、おいしく食事ができるようになればと思っている」と語った。
FiNCウォークは、北島康介氏とプロサッカープレーヤーの香川真司選手らを発起人とし、日本の健康と世界の子どもたちの健康を実現するためのプロジェクト「Health for Tomorrow」の第一弾企画だ。
FiNC代表取締役社長の溝口勇児氏は、「途上国では飢餓や栄養失調に苦しむ一方で、先進国では飽食。このいびつなギャップを変えたい」とし、このプロジェクトを企画したと説明する。
また、「目指しているのは、明日を担う世界の子どもたちを健康にし、自分たちも健康になること。普段よりも1日1000歩多く歩くと医療費が1日あたり60円下がると言われている。スマホを持っているだけで参加できる。日本は、高齢者の比率に対して医師が少ないといわれており、世界の課題が先にきている国。その課題を日本で解決できれば、日本の健康を世界に広げていけるのではないか。第二のGoogleやFacebookのようなプラットフォームを健康でつくりたい」と語った。
プロジェクトの参加者は50万人。提供する給食数は、20万食を目指す。
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