北島康介氏とプロサッカープレーヤーの香川真司選手らを発起人とし、日本の健康と世界の子どもたちの健康を実現するためのプロジェクト「Health for Tomorrow(ヘルス フォー トゥモロー)」がスタートした。
発展途上国では、約10億人が飢餓や栄養失調に苦しむ一方で、先進国では肥満人口が20億人にも達し、医療費が増え続けている。こうした課題に対し、テクノロジの力を使って解決していこうという試みだ。
発起人は、北島康介氏と香川真司選手に加え、NPO法人TABLE FOR TWO Internationalの小暮真久氏、個人向けのダイエット家庭教師「FiNC」の代表取締役社長を務める溝口勇児氏の4名だ。
このほか、アドバイザリーとして元マラソン選手の有森裕子氏やスポーツキャスターの古田敦也氏、ネスレ日本代表取締役社長兼CEOの高岡浩三氏、ソニーエグゼクティブアドバイザーの盛田昌夫氏など10名が名を連ねる。
溝口氏は、「発展途上国では、年間1500万人が飢餓が原因で亡くなっている。うち1000万人は子ども。一方で先進国に住まうわれわれは、約20億人が肥満。こうした現状が医療費の高騰につながっている。こうした社会問題を解決したいと、Health for Tomorrowを設立した。明日を担う子どもたちと“Tomorrow”を作るわたしたちも健康になるようにとの願いを込めている」とあいさつした。
第1弾として7月から歩いた歩数に応じてアフリカの子どもたちに給食が贈られる「FiNC WALK」をスタートする予定だ。
ヘルスケアアプリ「FiNC」をインストールしたスマートフォンを持って歩くと、歩数に応じたポイントを獲得できる歩数に応じて最大で1日12ポイント(1ポイント1円)を獲得できる。参加者全員の獲得ポイントの10%の額が、FiNCからHealth for Tomorrowを通じてアフリカに寄付される。
20円で1食分の給食になり、ユーザー自身が健康になりながらアフリカの子どもたちも給食を食べて健康になれるという取り組みだ。
また、一定歩数を歩くと、健康やウォーキングに関係のある賛同企業のさまざまな特典サービスが受けられるという。
FiNC WALKの賛同企業は、女性向けに30分の健康体操教室「カーブス」を運営するカーブスジャパン、ネイルサロン「ファストネイル」のコンヴァノ、ボディケアサロン「Re.Ra.Ku」を運営するメディロム、吉野家、「WIRED CAFE」を運営するピープルズインク、靴の修理サービス「MISTER MINIT」を運営するミニット・アジア・パシフィックを予定している。
5月30日に行われた設立発表会には、北島康介氏と香川真司も登壇した。ファウンダーになった理由について北島氏は、「競技をしていたときに、たくさんの方々に支えられた。現役を辞めてもそう思うことが多い。なにか恩返しできたらいいなと思っていたタイミングで話をもらい、賛同した」と説明。またFiNC WALKの取り組みについて「歩く行為が寄付になる。これは画期的なアプリになるのではないか」とコメントした。
香川氏は、「子どもたちと触れ合うチャリティーをしている中で話をもらい、ぜひにと賛同した。4月に自分たちの所属するチームのバスが襲撃にあう中で、心から恐怖を経験した。こういう恐怖を抱きながら生活している子どもがたくさんいる。世界中の子どもたちが飢餓で苦しむ子どももそう。少しでもサポートするチャリティなどをしていきたいと心から思った。この活動を通して、子どもたちに夢や希望が届けられるように広めていきたい」と語った。
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