強烈な5Gのアドバンテージ--ファーウェイのR&Dセンターに潜入 - 2/30

 ショールーム「Shanghai MBB Executive Briefing Center」にはデモ機材が多数並ぶ

 ショールーム「Shanghai MBB Executive Briefing Center」にはデモ機材が多数並ぶ

各社が製品開発に利用する「NB-IoT OpenLab」

 同じ上海R&Dセンターではあるが、Shanghai MBB Executive Briefing Centerとは異なる場所に設置されているのが「NB-IoT OpenLab」。ここは、NB-IoTにかかわるテストラボであり、NB-IoTを用いた開発途中の製品の挙動を確かめる検証用機材が多数用意されている。


NB-IoT採用のサムソナイトのスーツケース

 デモンストレーション用の機材もあるが、NB-IoT関連の製品開発を進めるファーウェイや他の企業が実際に利用している設備でもあり、大部分が撮影不可。撮影できたのは、1つはスペインに拠点をもつAccent Systemsと旅行カバン大手のサムソナイトが共同で開発を進めているIoTスーツケース。NB-IoTモジュールを内蔵し、スーツケースの現在地を容易に把握できる機能などを備えている。

 白物家電のハイアールが製造する送風機にNB-IoTモジュールを搭載したものも展示されていた。送風機は遠隔制御できるのはもちろんのこと、故障検知機能や稼働状況の分析などを通じて、利用者が最も快適に過ごせる稼働方法に改善する機能を備えるとしている。

 中国企業のMideaが開発する洗濯機に、同じくNB-IoTモジュールを搭載したものも見ることができた。同社独自のクラウドプラットフォームを通じて稼働状況をモニタリングできる業務用洗濯機となっている。洗濯終了時にはユーザーのスマートフォンに通知する機能も備えるようだ。

数十倍の性能を見せた「Massive MIMO」

 5G技術の構成要素の1つであるMassive MIMOの性能を実感できる屋外デモも実施された。Massive MIMOは、日本ではすでにソフトバンクが一部で採用している技術であり、20MHz分の帯域で4Gにおける100MHzに相当する帯域を実現できる。単純計算で5倍の通信キャパシティを確保できるため、多くのユーザーで混雑する場所でも余裕をもって高速通信可能だ。

 また、3Dビームフォーミング技術によって、これまで水平方向にしか最適化されなかった電波を上下方向にも最適化できるようになり、ビルの高層階でも受信感度を高められるという。


 従来の5倍のキャパシティをもっている「Massive MIMO」

 上海R&Dセンターの周辺には、このMassive MIMOに対応する基地局がいくつか設置されており、すでに商用化済み。街中をバスで移動しながら、Massive MIMO対応機種と非対応機種の両方でリアルタイムに通信状況を表示して性能の違いを確認できた。Massive MIMOが有効な範囲では、非対応端末と比較して数倍から数十倍という、圧倒的に高速な通信を実現していた。

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