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強烈な5Gのアドバンテージ--ファーウェイのR&Dセンターに潜入

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 ファーウェイの上海R&Dセンター。この写真で見えている範囲は、おそらく全体の4分の1もない

 ファーウェイの上海R&Dセンター。この写真で見えている範囲は、おそらく全体の4分の1もない

 6月28日〜7月1日の日程で、モバイル端末・ネットワーク技術などの展示会「Mobile World Congress Shanghai 2017」が開催された。期間中には、ファーウェイの上海R&Dセンターが公開され、国内外から来訪した見学者らでにぎわった。

 上海R&Dセンターは、同社が手がける技術・製品の主要な研究開発拠点の1つであり、およそ1万人もの従業員が働く巨大な社屋。内部には見学者向けのデモ用ショールーム「Shanghai MBB Executive Briefing Center」が設置され、同社の最新の取り組みを知ることが可能だ。


Shanghai MBB Executive Briefing Centerの入り口

 ショールームでは次世代通信技術の5Gを中心に、「NB-IoT」をはじめとするネットワーク技術、クラウドを利用したIoTヘッドギアやVR/ARなどを紹介。MWC上海の開催期間中ということで、5G技術の1要素であるMassive MIMOの屋外デモも特別に行われた。また、メディア向けには初公開となる試験設備「NB-IoT OpenLab」も部分的ながら披露した。

4Gでも超遠隔からリアルタイムでドローン操作

 ファーウェイは現在、ギガビットクラスの速度を実現する5Gネットワーク技術の実用化に向けた研究開発を主に進めているところだが、当然ながら現世代の4G LTEに関わる技術・製品も所有している。そんな4G LTEを用いた最新の事例として紹介したのが、4Gモデムを搭載したドローンによる遠隔操作デモだ。

 一般的なドローンのリモコンによる遠隔操作にはWi-Fiが用いられ、電波の届く範囲は2kmほど。しかしここでは、上海から約1500km離れた香港にある4Gモデム内蔵ドローンを使い、リアルタイムで遠隔操作するデモを行っていた。ちなみに日本国内ではドローン本体を目視できる範囲内で飛ばすことが求められるため、実質的に2kmよりずっと短い距離でしか遠隔操作できない。


4Gモデムを内蔵したドローン

 PCからの操作で高度70メートルまで上昇した後、ドローンが搭載するカメラの映像を映し出しながら、あらかじめ衛星写真の地図上で指定していた数百メートル先のスタジアムまで自動で飛行。スタジアム上空に到着してからは、カメラアングルを自在に、レスポンス良く操作できるところを見せていた。

 説明員が「(ネットワーク的な)最適化はしていない」と話していたが、映像は鮮明で、カメラアングルの切り替え時にもタイムラグはほとんど発生していなかった。次世代の5Gになればさらなる低遅延、高画質化が望める可能性が高いが、デモでは現在の4G LTEでもセキュリティ、輸送、農業など、さまざまな産業で十分に実用性のあるドローンの遠隔活用が可能であることを示していた。

観光産業から製造業まで、応用幅の広さを見せる5G

 5Gの主要なメリットは、ギガビット通信を実現する速度と、低いレイテンシー、高い信頼性だ。それらを活かせるデバイス、あるいは視覚的に実感しやすい例として展示していたのが、ヘッドギアとロボットアームだった。

 このヘッドギアは5つのカメラを内蔵し、5Gネットワークを通じて、クラウドAIプラットフォームと通信する機能を備えている(と想定)。カメラが捉えたユーザーの全方位の映像をクラウドAIが解析して、障害物検知や信号を含む交通状況の認識などを行い、ユーザーに音声などで状況を伝える。このようなヘッドギアを観光地で使えば、スポット情報や買い物情報などを提供しながら安全にガイドすることが可能になるだろう。


ヘッドギアからの映像をクラウドAIが解析。さまざまな情報をユーザーに伝える

 5Gではネットワークそのものの遅延が20ms未満に抑えられ、クラウドAIでの解析処理も80〜200ms程度と想定していることから、100msほどとされる人間の脳内におけるニューラルネットワークの処理と遜色ないスピードで情報提供が可能になるともアピール。2017年12月には実証実験が始まる予定とのことだ。

 一方、ロボットアームでは、2本のアームを並列で遠隔操作する際に、4Gと5Gのネットワークを切り替えるとどういった現象が起こるのかをデモンストレーションしていた。5Gでは両方のアームが完全に同期し、荷物を挟んで持ち運ぶことができるのに対し、4Gではわずかな同期ずれが発生するために途中で荷物を落としてしまっていた。

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