映像・写真事業などを手がけるアスカネットは、親族を亡くした遺族を対象としたウェブサービス「tsunagoo(つなぐ)」を、パシフィコ横浜で開催された葬祭業界向け展示会「フューネラルビジネスフェア2017」で公開した。サービスは葬祭事業者を通じて提供されるという。
同社によると、tsunagooは遺族の葬儀準備や近親者や関係先などへの連絡を支援することを目的として開発。親族を亡くした直後の遺族は、気持ちが動揺する中で関係各所への連絡、行政や保険などの手続き、葬儀の手配と準備など、さまざまな作業に追われることから、こうした遺族の負担軽減を目的に考案されたのだという。
遺族の契約した葬儀社のスタッフが葬儀の予定など訃報の情報を入力すると、故人専用のウェブページが作られ、さまざまな機能のアクセス先URLとQRコードが記載された専用の案内用紙が訃報紙とともに出力される。訃報配信機能では、遺族は故人の訃報ウェブページをメールやSNSを使って近親者や関係先に伝えることができ、開催時間や会場情報など細かい内容を伝える必要のある連絡の手間が軽減されるという。また、訃報を受けた近親者や関係者は、アクセスした故人のウェブページから供物や供花を注文できるとのこと。
また、葬儀の際に必要となる遺影写真の準備をサポートする機能として、遺影写真の原版アップロード機能を搭載。遺族は専用の案内用紙に記載されたアクセス先URLやQRコードから、PCやスマートフォンで遺影写真にしたい原版データをアップロードできる。アップロードされた写真データは葬儀社がすぐに受け取ることができるほか、遺族は完成された遺影写真のダウンロードも可能だという。なお、手元供養三具足「スマートチェリング」を使うと、仏間や仏壇を置くスペースがない部屋でも故人を偲ぶことができるようになるとのこと。
サービスを開発したアスカネット フューネラル事業部の青砥氏は、開発の背景について「ご遺族は深い悲しみに打ちひしがれているにもかかわらず、葬儀の準備を進めていかなければならない。そうした状況で、簡単でスピーディに関係各所に訃報を伝えられないか、会葬者の方々や友人・知人はより効率的にお花や供物を届けられるようにできないかという発想が、サービスを考案した発端。tsunagooというネーミングには、葬儀社、ご遺族、会葬者をつなぐ、さらには故人の想いをつなぐサービスになればという想いを込めた」と説明。
また、映像事業や写真事業を手がける同社がフューネラル事業に乗り出した背景については、「会葬者が減り縮小傾向にある葬儀だが、葬儀が持つ本来の意義や故人を偲ぶ想いなどを再確認できる仕組み作りを目指し、美しく加工した遺影写真をお手元に遺すお手伝いをさせていただきたいと考えている」と語った。
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