サムスン、スマートウォッチをワイヤレス充電するスマホ用ケース--公開特許に

 腕に装着するウェアラブルデバイスという制約のため、スマートウォッチに搭載可能なバッテリの容量はどうしても少ない。そこで、スマートウォッチを使いながら充電できるバッテリ内蔵バンド「PRIME」や、体温で発電して作動するスマートウォッチ「MATRIX PowerWatch」など、容量問題に対する解決策が提案されてきた。「Apple Watch」を販売しているAppleも、充電機能を備えるスマートウォッチ用バンドの特許を出願している。

 基本的にスマートウォッチは、スマートフォンと連携させて使うものだ。そこに目を付けたSamsung Electronicsは、スマートウォッチをワイヤレス充電できるスマートフォン用ケースの技術を考案。これを米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間6月15日に「WIRELESS CHARGING ACCESSORY APPARATUS」(公開特許番号「US 2017/0170678 A1」)として公開された。出願日は2016年12月7日。


公開されたSamsungの特許(出典:USPTO)

 この特許は、ワイヤレス充電機能付きモバイルデバイス用ケースを実現するためのもの。リアカバーとフロントカバーを備える、一般に手帳型と呼ばれる形状のケース。スマートフォンのようなモバイルデバイスをリアカバー側に装着できる構造。

 フロントカバーにはコイルなどが組み込まれており、電磁誘導で無線給電する仕組みだ。そのため、フロントカバーの表面または裏面にスマートウォッチなどのワイヤレス充電対応デバイスを置けば、無線充電ができる。


フロントカバーでワイヤレス充電(出典:USPTO)

 ケースにはモバイルデバイスに接続するコネクタが設けられており、モバイルデバイスから直流電力を受け取る。そして、これをDC-ACコンバータで交流電力に変換して、コイル経由でワイヤレス充電に使う。


充電に必要な電力はモバイルデバイスから得る(出典:USPTO)

 スマートウォッチと比べ、スマートフォンやタブレットは大きなバッテリを搭載している。このSamsungの技術を実用化すれば、バッテリに余裕のあるデバイスからそうでないデバイスへ電力を融通できるようになる。特許が成立するかどうかは別にして、製品化されたら需要がありそうだ。

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