Samsung Electronics(サムスン電子)は、米カリフォルニア州サンフランシスコで開催した開発者会議「Tizen Developer Conference(TDC)2017」の場で、モバイル向け新OS「Tizen 4.0」を発表した。そして、同社のTizen開発キーパーソンが語った開発方針などを公表した。
このキーパーソンは、サムスンのエグゼクティブバイスプレジデントで、Tizen Technical Steering Groupの議長を務めるHyogun Lee氏。TDCのキーノートスピーチでTizen 4.0を発表し、Tizenプラットフォームに対する同社の将来ビジョンを語った人物だ。
Lee氏によると、現在すでにスマートテレビ、「Z」シリーズのスマートフォン、ウェアラブルデバイス、スマート冷蔵庫「Family Hub」など、多くのサムスン製品にTizenが使われているという。さらに、ロボット掃除機、洗濯機、エアコン、ネットワークスピーカといった家電製品も、近い内にTizenベースになるとした。
サムスンはTizen 4.0のアプリケーションエコシステムを拡大するとしているが、具体的には「Microsoft .NET Framework」とUXデザインツール「Adobe Experience Design CC(Adobe XD)」への対応だそうだ。そのメリットの一例として、.NET導入で開発者はプログラミング言語「C#」とその標準ライブラリ群、統合開発環境(IDE)「Visual Studio」が利用できるとした。そして、同社は2017年中に「Samsung Smart TV」への.NET導入を開始し、同社のスマートTV向け.NETアプリを構築できるようにする計画だ。
Lee氏は、Tizen 4.0を中心とするデバイスエコシステムの構築も、パートナーと協力して進めると述べた。Tizen対応のプラットフォーム開発キット(PDK)を使って独自IoTデバイスを開発できる環境と、IoTデバイス向けアップデートサービス「Tizen Update Service」を提供する。最終的には、デバイスメーカーが「Samsung Connect」のようなOpen Connectivity Foundation(OCF)対応IoTクラウドに接続できるようにしていく、と説明した。
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