今から3年前、Googleは「Cardboard」を発表した。Cardboardは、ほぼどんなスマートフォンもVRビューアに変身させる、20ドル以下の創造的な自作キットである。このキットは素晴らしくシンプルだった。非常に安価で、極めて多くのスマートフォンで使用可能だったため、The New York Timesは、紙面版の購読者にCardboardを無料で配布したほどだ。Cardboardは、Oculusによる、PCベースのハイエンドVRハードウェアの対照となる、スマートな製品という役目も果たした。Oculusは、Cardboardが登場するわずか2カ月前にFacebookに買収された。
それからの3年で、多くのことが変わった。Googleは、Cardboardでの控えめな参入を経て、今では、拡張現実(AR)と仮想現実(VR)の分野で多面的な戦いを進めている。具体的に言うと、2016年に発表された同社の「Daydream View」VRヘッドセットは、スマートフォンをヘッドマウント式のVRビューアに変身させる。Daydream Viewとは別のクラスの「Tango」対応スマートフォンは、高度な拡張現実カメラを内蔵しており、デジタルの物体を現実世界に重ねることができる。そして、5月に開催された「Google I/O」開発者会議では、新しいDaydreamのスタンドアロン版(スマートフォンが不要)が近いうちに発売予定であることが発表された。
Cardboardはどうなったかと言うと、もちろん、今でも健在である。
GoogleはARとVRという素晴らしい新世界で、どのように優位に立つつもりなのだろうか。1つの製品によってではなく、似通ったテーマに対して多種多様なアプローチをとることで、覇権を目指すつもりのようだ。
Daydream ViewはGoogleのヘッドセットで、対応するスマートフォンをヘッドマウント式のVRビューアに変身させる。サムスンの「Gear VR」に対するGoogleからの応酬ともいえるDaydream Viewでは、約150種類の対応アプリを利用できる。Daydream Viewは2016年、Googleの「Pixel」「Pixel XL」スマートフォンと一緒に発表された。「Moto Z」や「Moto Z Force」、「HUAWEI Mate 9 Pro」、ZTEの「AXON 7」もサポートする。
GoogleはDaydreamのソフトウェアを2.0アップデート(開発コード名「Euphrates」)で改良し、さまざまな機能を導入しようとしている。例えば、VR映像を友人と共有する機能、YouTubeなどのアプリで他のユーザーとつながる機能、ヘッドセットからスマートフォンを取り出さずにAndroidの通知を確認する機能などだ。また、多数のスマートフォンが次々にDaydreamに対応している。
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