Classiは4月時点で約1800校の高校に導入され、有料利用者数も70万人を超えているという。月間のアクティブ率は約7割で、週間だと約5割。また、利用頻度の低い学校も保護者面談などの際には生徒カルテを使用するため、「どの学校も年に1~2回は必ず使う」(加藤氏)。導入校からは、学習の平均時間が伸びた、面談や授業の準備時間が短くなったといったポジティブな意見が多く、「Classiを1~2カ月使うと生徒の主体性が上がる」という声も寄せられたとのこと。
最も利用されている機能はコミュニケーションで、ホームルームでの連絡事項を忘れないように書き残すなどの用途で使われているという。学習コンテンツの利用率がそこまで高くないことが課題ではあるが、まずは授業の準備や部活動の顧問などで日々時間に追われている先生の作業効率化や、生徒の学習理解度を先生が確認するためのツールとして活用してほしいと加藤氏は話す。
「Classiは、あくまでもリアルでの対面授業をサポートするためのサービス。生徒と先生が情熱を持って、一緒に会話をしながら授業を進めることを大切にしており、デジタル教材などの活用は最後でいいと思っている」(加藤氏)。
セキュリティについては、導入学校と紐づく個人ID・パスワード認証を採用しており、管理者が個人情報の閲覧・編集制限を設定できるようにしている。ただし、「まだメールアドレスさえ持っていない先生もいて、パスワードを付箋でPC画面に貼ってしまっている人もいる」(加藤氏)ことから、Classi自体のセキュリティを強化するだけでなく、教育現場のITリテラシーを上げるために、教材を配るといった取り組みも進めているという。
また、学校教育に専用のデバイスではなく生徒個人の端末を利用しているが、授業中に他のコンテンツで遊んでしまう、情報が漏洩したといった問題やトラブルは起きていないそうだ。「普通教室にWi-Fi環境がある学校はまだ2割ほどといわれているが、そこに設備投資するよりも、生徒のスマートフォンとLTEを使えばいい。BYODは、学校ではコントロールができないのではと言われてきたが、生徒たちが使えばこれだけのことができるということを示すことができた」(加藤氏)。
今後は、蓄積された先生や生徒の学習ログなどを活用することで、より生徒ごとに最適化されたコンテンツを提供できる教育プラットフォームを目指す。加藤氏は「現在約70万人のユーザー数を早期に100万人まで増やしたい」と展望を語った。
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