シート型ディスプレイから冷蔵庫とテレビを連動する技術まで--NHK技研公開

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 NHK「技研公開2017」の一般公開が5月25~28日、東京世田谷区砧のNHK放送技術研究所で開幕する。

 今回のテーマは「2020年へ、その先へ、広がる放送技術」。3年後に迫った東京オリンピック、パラリンピックへ向けた放送サービス、制作技術の最新動向など、30項目の研究開発成果と10項目のポスター展示、4項目の体験展示を用意した。

 1階エントランスホールで最初に来場者を迎えるのは、NHK放送技術研究所所長の黒田徹氏が「どこ(の展示会)に行っても見かける」と評したAI(人工知能)関連の展示。ネット上に広がるソーシャルメディアや自治体発信情報の中から、必要な情報を自動で分析、識別して取得して番組制作に役立てたり、自動で原稿を生成したりする制作支援システムは、決して付け焼刃ではないNHKのAI研究の蓄積が垣間見える展示となっている。

 また、これまで「人にやさしい放送」として研究を進めてきた分野についてもAIを活用。リアルタイムの競技データから実況音声を自動で生成する技術、テキスト情報から手話CGを自動生成する技術などは、2020年に向けて有効なサービスとなり得るだろう。

 東京オリンピック、パラリンピックを強く意識した展示としては、同じく1階エントランス「三次元被写体追跡スポーツグラフィックシステム」がおもしろい。ボールの三次元位置を高精度かつリアルタイムに算出し、正確なCG合成を実現するための技術で、バレーボールの実演を見せながら実際にボール位置を解析するデモが見学できる。


バレーボールの三次元位置を高精度かつリアルタイムに算出し、正確なCG合成を実現するための「三次元被写体追跡スポーツグラフィックシステム」

8Kスーパーハイビジョンはフルスペックの世界へ

 数年来、技研公開の主役となってきた8Kスーパーハイビジョン関連は、2016年からBS試験放送が開始されているということもあり、さらに一段上を目指した展示内容となった。

 2016年も展示された超薄型の8Kシート型ディスプレイ(有機EL)は、フレーム周波数120Hzに対応。現状は4Kパネルを4枚張り合わせた形となるため画面に枠線が残ってしまっているが、ハイスペックな映像再現は十分に確認できる。


8Kシート型ディスプレイ(有機EL)。フレーム周波数120Hzに対応。現状は4Kパネルを4枚張り合わせた形となる

 その隣では、フルスペック8K制作システムとして各種最新版8Kカメラ、ライブスイッチャー、文字合成装置などを用意した簡易サブを設営。撮影から制作、表示までを同じ部屋内で見せるデモを実施する。


フルスペック8K制作システムとして各種最新版8Kカメラ、ライブスイッチャー、文字合成装置などを用意した簡易サブ

 さらに週末となる5月27~28日は、技研講堂で行われる東京オリンピック、パラリンピック応援技術実験イベント「エクストリームスポーツ 華麗な技の競演~スケートボード・BMXの迫力を8Kスーパーハイビジョンで~」を簡易サブで制作してシート型ディスプレイで上映。エクストリームスポーツの迫力を講堂で生体験するもよし、展示エリアで制作現場さながらの臨場感を見届けるもよし、の2段構えの楽しみを用意している。

 講堂をイベントやシンポジウムに使用するため、通常の8Kコンテンツ上映は別の実験室で実施。8K高画質、高輝度、広色域でフレーム周波数120Hzに対応した「8Kレーザープロジェクター」を用いて、毎秒120フレームに対応した新作コンテンツやこれまでのダイジェスト映像などを450インチの大スクリーンで紹介する。

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