Googleはこの数カ月間、「Amazon Echo」のライバルである音声認識スピーカー「Google Home」の機能を大幅に強化してきた。Google Homeは、発売時期こそAmazon Echoより2年近く遅かったが、今では利用可能な国の数でEchoを上回りつつある(Echoは米国、英国、ドイツでのみ利用可能)。具体的には、2017年内にカナダ、オーストラリア、ドイツ、フランス、日本でGoogle Homeが発売される。これによりGoogleは、デジタルアシスタント市場で先行するAmazonとの差を縮めたい考えだ。
さらにGoogleは米国時間5月17日、デジタルアシスタントのトップの座にこれまで以上に迫る、多くの新機能を発表した。
GoogleがHomeに新しく搭載する主要な機能の1つが、先回り通知だ。たとえば通勤前のユーザーに交通渋滞を警告するなど、ユーザーへのプッシュ通知ができるようになる。ただし、複数ユーザーで1つのデバイスを利用している場合、このプッシュ通知がどこまで正確に機能するのかは、今のところわからない。たとえば、「Google Assistant」に「what's up?」(何かある?)と尋ねたときに、質問者によって異なる警告が返されるのかどうかは不明だ。とはいえ、アシスタント機能を利用してこうした実用的なアドバイスを提供できる機能は、現時点では大きな進歩と言えるだろう。
また、Amazonと同じく、Googleもハンズフリー通話機能を導入する。ただしEchoと違い、Homeの通話対象は通常の携帯電話や固定電話となる。今のところ、Homeデバイスどうしで通話することはできないが、Googleはこれをユーザーのプライバシーに配慮するためとしている。Amazon Echoでは、Echoどうしの通話ができるがブロック機能はなく、プライバシーの面で批判の声があがっている。さらにHomeでは、米国あるいはカナダに住んでいる人であれば、Home経由でかけた電話が無料になるというメリットもある。
Googleは、Homeに新しいエンターテインメント機能を搭載する予定だ。これには、無料版「Spotify」の利用や、「HBO NOW」のストリーミング視聴(「Chromecast」が必要)、「SoundCloud」のストリーミング再生などの機能がある。提携先の完全なリストは、近日中に発表される。
さらに今回の機能向上によりようやく、Homeは他のディスプレイ機器をより効果的に活用できるようになった。今後はユーザーが所定の住所への道順やこれからのスケジュールを尋ねると、Homeがその応答内容をスマートフォンやテレビに直接表示してくれる。こうした使用方法は、HomeとChromecastの連携により実現可能になった。
現在の音声アシスタントが抱える最大の弱点の1つは、複数のデバイスや機能を一括で制御する手段がないことだ。「Siri」は、スマートホームデバイスで一定のカスタマイズを可能にしているが、それ以上の機能はない。しかし、Google Homeには、「Shortcuts」と呼ばれる機能が搭載されることになった。
Shortcutsを使うと、「workout time」(エクササイズの時間)といった音声コマンドによるショートカットを設定し、一言で複数のアプリのコマンドやデバイスを起動することが可能になる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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