UPDATE Googleは米国時間5月17日、開発者会議Google I/Oで「Android O」ベータ版のリリースを発表し、その複数の機能について説明した。重要な動きとして、Googleは、新しいプログラミング言語「Kotlin」のサポートを追加することを発表した。
Kotlinは「Android」と完全にランタイム互換で、開発者らの既存コードとも完全に相互運用可能であると、GoogleのStephanie Cuthbertson氏はGoogle I/Oの基調講演で述べた。
Cuthbertson氏によると、Googleは、Android端末のセキュリティと健全性を保つために、セキュリティの強化、OSの最適化、開発者ツールに力を入れてきたという。Android Oには「Play Protect」が導入されており、ウイルスやマルウェアを検出するためのアプリスキャンにGoogleが機械学習を活用していることが反映されている。
OSの最適化については、Android Oは起動時間が2倍高速になっている。Androidのランタイムを大幅に変更することによって実現した。またGoogleは、バッテリの消耗やクラッシュなどの問題を引き起こす最大の要因を解析するための「Play Console Dashboards」も追加した。
Googleはこの新しいOSで、ユーザーがプッシュ通知をよりきめ細かく制御できるようにすること、そして、アプリのバックグラウンド動作を制限することによってバッテリ持続時間を延長したという。
その他の新機能としては、アプリの「Autofill」(自動補完)がある。ユーザーがこれを有効にすると、アプリを新しい端末にダウンロードした際に、そのアプリに対する適切なユーザー名が自動的に提案される。「新しいスマートフォンやタブレットを設定する際の負担が軽減される」とAndroidのエンジニアリング担当バイスプレジデントを務めるDave Burke氏は述べた。
Burke氏は、コピーアンドペースト機能を改善する新しい「Smart Text Selection」(スマートテキスト選択)機能にも触れた。語句の任意の部分をダブルタップすることによって、語句全体を選択することができる。住所をタップすると、住所全体が選択される。さらに、機械学習モデルによってそれが住所として分類され、「Googleマップ」上での位置表示が提案される。
刷新されたこのモバイルOSに加えて、Googleは「Android Go」も発表した。Android Goは、通信に制限のある端末にAndroidを搭載するための手段だ。Android Goは、OS、アプリ、「Google Play」がパッケージ化されており、メモリが1Gバイト以下の端末に搭載される。Android Oのリリースに伴い、メモリが1Gバイト未満のすべての端末にAndroid Goが提供されることになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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