オトバンクは4月13日、東京ミッドタウンにて「第7回オーディオブックアワード」を開催した。
オーディオブックアワードは、同社が運営するオーディオブック配信サービス「FeBe」で配信したコンテンツの中から、支持された作品を会員の投票によって選出し、表彰を行うというもの。
2016年で最も支持されたオーディオブック・オブ・ザ・イヤーには、「君の膵臓をたべたい」(住野よる著)が選ばれた。本作は住野よる氏のデビュー作となる青春小説で、2015年6月に刊行。2017年7月には実写映画も公開予定となっている。オーディオブックでは「僕」役に鈴村健一さん、山内桜良役に堀江由衣さんといった声優陣が音声で物語を表現した。
本作の編集を務めた双葉社の荒田英之氏は、収録時に声優陣が一言一句繰り返し著者に確認しながらキャラ作りを行っていたことや、オーディオブック化にあたって制作陣が丁寧に作っている現場を見て、その段階から感激していたと振り返る。また別の仕事でやりとりをしている目の不自由な作家が、本作をオーディオブックとして聴いていたことに触れ、「本の形では伝えられなかった人たちにも物語が届けられていると実感した」とコメントした。
このほか文芸書部門大賞は「永遠の0(ゼロ)」(百田尚樹著)、ビジネス書部門大賞は「幸せになる勇気」(岸見一郎、古賀史健著)、企画賞には「一路」(浅田次郎著)、特別賞に「自分を操る超集中力」(メンタリストDaiGo著)がそれぞれ受賞した。
またこの日は「出版 × 人工知能(AI)の未来」をテーマに、朝日新聞社メディアラボの田森秀明氏と、オトバンク代表取締役会長の上田渉氏によるトークセッションを実施。ディープラーニングによるAIの進化や自然言語処理、AIによる創作で人の心を動かせるかといったテーマをもとに語った。AIによるショートショートのような作品作りについて田森氏は「一文一文そのものは確率的に作ることはできるが、その文をどのように組み合わせていくか、パラグラムを組み合わせしいては一章分を作るのか、そして全体を構成していくというところまでは届いていないと語る。「将来的にはできるのだと思いますが、大量のデータが必要かつコンピュータの性能も足りないというのが現状」とも付け加えた。
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