Intelは米国時間3月13日、自動運転車向けの技術開発を専門とするイスラエル企業Mobileyeを買収することで合意に達したと発表した。買収金額は1株あたり63.54ドルで、総額およそ150億ドル。Intelは1年以内の買収完了を見込んでおり、両社の取締役会は既にこれを承認済みだ。
この買収により、MobileyeをIntelのAutomated Driving Groupに統合した、単一の自動運転部門が誕生する。同部門はイスラエルに本社を置き、Mobileyeの現会長で最高技術責任者(CTO)であるAmnon Shashua氏が統括する。
「Mobileyeは、業界最高水準の車載グレードコンピュータビジョンをもたらし、自動車メーカーやサプライヤーに力強い弾みを与える」とIntelの最高経営責任者(CEO)であるBrian Krzanich氏は発表の中で述べている。「われわれが力を合わせることで、自動車メーカーが負担するコストを引き下げつつ、クラウドと自動車を結ぶソリューションのパフォーマンスを向上させ、自動運転の未来を加速化することができる」
Reutersが報じているように、自動運転技術のみに特化した企業の買収としては世界最大規模だ。Mobileyeは多くの企業に技術を提供しており、最新の運転支援技術市場のおよそ70%を占有している。
Intelにとっての最大のメリットは、自動車業界における同社の守備範囲を拡大し、コンセプトからデリバリーまでのプロセスに対する管理を強化できることだ。一方Mobileyeは、Intelのチップ製造に関する専門技術の恩恵を受けることになる。Mobileyeはこの10年間、部品用のチップ製造をSTMicroelectronicsに依頼していた。
IntelとMobileyeは、これまでまったく無関係だったわけではない。両社は、自動車業界において複数の企業と提携を結んでいる。Mobileyeは、Delphiの自動運転関連の研究開発に対してソフトウェア面で支援しており、Intelはプロセッサを供給している。両社はBMWとも提携している。BMWは、2021年までに同社車両に自動運転モードを搭載できると考えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス