Twitterは、「@ALT_uscis」アカウントの所有者(または所有者たち)の身元を明らかにしようとしているとして、米連邦政府を提訴した。@ALT_uscisは、Donald Trump政権に反発して突然現れた、「不正」に連邦政府機関を名乗るTwitterアカウントの1つだ。
米カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提出された訴状では、米国土安全保障省(DHS)、DHSが所管する米税関国境警備局(CBP)、DHSのJohn Kelly長官、その他3人のCBP職員が対象となっている。
Twitterは訴状の中で、米政府が「目的の限定された調査ツール」を悪用して、@ALT_uscisの正体を暴こうとしたと申し立てている。なお@ALT_uscisは、米国市民権移民業務局(USCIS)に勤務する1人または複数の職員によって運営されていると主張している。
This is one way to get verified..
— ALT Immigration (@ALT_uscis) 2017年4月6日
訴状では、米政府はこのツールを悪用しただけでなく、Twitterユーザーが有する米憲法修正第1条の権利を侵害しようとしたと主張している。米憲法修正第1条は、匿名または仮名によって政治的言論を広めることを認めている。
具体的には、CBPの特別捜査官が米国時間3月14日、Twitterに行政召喚状を発行し、@ALT_uscisの身元を明らかにする記録の提出を求めた、と訴状にはある。しかし、Twitterの主張によると、この召喚状は議会で承認された権限に基づくもので、CBPは輸入商品に関する限定的な記録の開示を強制できるだけだという。
CBPが求めている情報は、輸入商品とは「まったく何の関係もないのは明らか」だと訴状は述べている。
さらに、召喚に従うことは、問題のアカウントだけでなく、政府に対する異議を表明するために作られた他の多くの「政府機関を名乗る」アカウントに「憂慮すべき委縮効果」を与えることになると、Twitterは主張している。
訴状には次のように書かれている。「最高裁判所は長年にわたり、これらのアカウントから発信されるような言論の多大な価値を認めてきた。こういった言論は、政府の政策を批判し、政府の無駄や失策を浮き彫りにする純粋な政治的主張だ。また、最高裁は同様に、そのような政治的言論を促すには時に匿名性が不可欠であることも認めてきた。今回のように、発信者の身元と問題の主張の関係性が明らかになると、その人物が報復や懲罰に直面する可能性があるからだ」
Twitterは連邦地裁に対し、召喚状が違法であることを認めるよう求めている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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