タッチでも物理キーボードより快適に--レノボ「YOGA BOOK」の可能性 - (page 3)

「物理キーボードにも勝てるかも」--Haloキーボードの可能性

 また、タイピング位置をできる限り正しく捉えるため、「ヴァーチャル・レイアウト」という概念を導入。人によってクセがあり、同じ「A」のキーを打っていても隣の「S」に近かったり、下の「Z」に近かったりする。ユーザーのクセを学習して、それぞれに合わせたキーボードを即時つくる仕組みだ。

タイピングの検出
タイピングの検出
レノボ Research & Technology リサーチャーの戸田良太氏
レノボ Research & Technology リサーチャーの戸田良太氏

 「物理キーボードにも勝てるかもしれない。キーボードの位置と大きさを変えることはどこもやっていない。間違いなく初のトライアルだと思う。(ヴァーチャルレイアウトは)ユーザーが変わると変えなければいけない。姿勢によっても変わるので、素早い学習が必要になる」(レノボ Research & Technology リサーチャーの戸田良太氏)と説明した。

 キーボードの学習となると、パスワードや機密文書などを入力するデバイスとして心配になるのがキー入力を記録する「キーロガー」といった問題だ。しかし、タイピングの履歴は記録せず、どこを押したかというレイアウトだけという。「クリティカルなデバイスなので、記録しない方針。キーを何回打っているかもわからない。(打鍵箇所が)集まっているか、集まっていないかだけ」(戸田氏)としている。

エルゴノミック・ヴァーチャル・レイアウト
エルゴノミック・ヴァーチャル・レイアウト
レノボ Research & Technology リサーチャーの伊藤浩氏
レノボ Research & Technology リサーチャーの伊藤浩氏

 今後の展開については明らかにしなかったが、この技術を応用して、通常のThinkPadにも搭載することも考えられる。物理キーボードに比べると、部品点数が少なくて済むHaloキーボードは、軽量化や薄型化に貢献するだろう。またThinkPadシリーズは、バスタブ構造による「防滴キーボード」を特徴としているが、フラットなHaloキーボードなら、さらに防水機能を高めることも可能になる。

 「機能を評価いただくシーンも多いが、一般のお客様は薄くてカッコイイと興味を持ち、触ってみて手書きが速いね、さらにタイピングもできるの?という流れ。レノボ=安物ということではなく、レノボといえばこのような形のイノベーティブな商品群を象徴するイマドキのブランドである。この1年間でわれわれの評価も変わったと体感している」(後藤氏)とし、レノボの設計と技術力をアピールした。

キーボード部分の内部構造。スピーカも大きなものを使用し、ドルビーアトモスを搭載。また、ノイズキャンセリングに対応したデュアルマイクロフォンを内蔵している
キーボード部分の内部構造。スピーカも大きなものを使用し、ドルビーアトモスを搭載。また、ノイズキャンセリングに対応したデュアルマイクロフォンを内蔵している
キーボードパネル部分の裏側
キーボードパネル部分の裏側

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