HoloLensを装着、沖縄にいる校長の式辞をMRで体験--カドカワ「N高」が入学式

 カドカワは4月5日、MR(複合現実)技術によるホログラムを活用した、角川ドワンゴ学園「N高等学校」(N高)の入学式をニコファーレで開催した。

ニコファーレに参列した「N高等学校」2期生
ニコファーレに参列した「N高等学校」2期生

 N高等学校は、ネットワークを通じた双方向教育システムをベースに、時間を問わず自身のペースで授業を受けることができ、高校卒業に必要な単位を確保しつつ、プログラミングやライトノベル、ファッション、ゲーム、美容など多種多様なネットでの課外授業も用意。社会で役立つスキルや経験を早期に身につけることができるとうたっている。

 同校は2016年に設立され、今回入学するのは2期生。入学式は前回同様、ニコファーレと沖縄県うるま市にある沖縄伊計本校とのリアルタイム配信により実施。生徒だけが閲覧できるニコニコ生放送のほか、東京と大阪にあるキャンパスにも中継された。ちなみに2期生の入学者は2002人としている。

 前回はVRゴーグルを使用した“VR入学式”となっていたが、今回は“MR入学式”。会場に参列した生徒はMRヘッドセット「Microsoft HoloLens」を装着。挨拶を行った奥平博一校長をはじめとする沖縄伊計本校からの来賓のスピーチを、その場にいるような感覚で体感できるものとなっていた。

新入生はHoloLensを装着。目の前にいるかのようにしゃべる奥平博一校長の式辞を聞いていた。
新入生はHoloLensを装着。目の前にいるかのようにしゃべる奥平博一校長の式辞を聞いていた。
入学式の司会も務めた、理事の志倉千代丸氏(右)
入学式の司会も務めた、理事の志倉千代丸氏(右)

 N高ではHoloLensをはじめとする最新技術を活用した授業も取り入れていく予定。先生が目の前で指導しているかのように感じられたり、グラフや図などをいろいろな方向から見ることができるといったもの。理事の志倉千代丸氏は「充実した教育機関は都市部に集中しがち。新しい技術を活用すれは、地域的な格差がなくなるであろう」と語ったほか、過去の偉人などが授業を教えるといった、画期的な授業を行う未来が考えられると期待を寄せた。

 ニコファーレにはN高等学校理事長の佐藤辰男氏、理事の角川歴彦氏と川上量生氏も参列。HoloLensを装着して校長の式辞に参加した。

(左から)理事長の佐藤辰男氏、理事の角川歴彦氏、同じく理事の川上量生氏。HoloLensを装着して式辞に参加した
(左から)理事長の佐藤辰男氏、理事の角川歴彦氏、同じく理事の川上量生氏。HoloLensを装着して式辞に参加した

 奥平校長は「N高で挑戦を試みてほしい。自分は変わるという思いを持つこと、そして自分の居場所は必ずあると信じること、そして家族や友人を大切にすること。その気持ちを大事にしてN高の生活を過ごしてほしい」と新入生に語りかけた。

 佐藤氏は「教職員も開校から1年が経過しスキルも上がっており、みなさんを迎える準備を整えて待っていた。N高で自分の未来を見つけてほしい」と述べた。

 角川氏は冒頭、カドカワとドワンゴはさまざまなコンテンツ作りを行っていることに触れつつ、「(アニメ作品の)『けものフレンズ』、『幼女戦記』を知ってる?」と新入生に問いかける一幕も。コンテンツに関わるクリエイティブなことを学ぶことができる学校であり、人生に役立ててほしいとエールを送った。

 川上氏は、「N高は歴史がないかわりに、最新の教育を取り入れることができた。受け継ぐ伝統はないが、新しい歴史をみなさんが作っていける」と語りつつ、「N高は人生を変えるような体験を用意している。力を入れているのは学校生活を日々感じてもらえることと、人生を変えるような技術を身に着けたり体験をしてもらうこと。卒業を目指すだけではなく、勇気を出して一歩踏み出して、積極的に挑戦してほしい」と語った。

 さらに特別来賓としてウルグアイ前大統領のホセ・ムヒカ氏もホログラムで登場し祝辞を述べたほか、新入生代表がHoloLensを装着したまま、ホログラムの奥平校長に向けて宣誓を行った。

  • 「世界で最も貧しい大統領」として知られた、ウルグアイ前大統領のホセ・ムヒカ氏がホログラムで登場

  • 新入生代表による宣誓。ステージには誰もいないように見えるが……

  • HoloLens越しに映し出される奥平校長に向かって宣誓を行った

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