カドカワは4月6日、同社が2016年より開校する高等学校「N高等学校」の入学式を開催した。
N高等学校は、スマートフォンを軸とした通信教育をベースに、生徒それぞれが強化したい課目を自由に選択できるのが特徴。高校卒業に必要な単位を確保しつつ、プログラミングやクリエーターに関する授業のほか、代々木ゼミナールと提携し、受験に特化したスクールも用意する。また、沖縄県うるま市にN高等学校校舎を設置したほか、全国12カ所でスクーリングも実施する。
入学式は、ニコファーレ(東京都港区)で催され、沖縄県うるま市にある同校校舎とリアルタイム配信を実施。生徒だけが閲覧できるニコニコ生放送でも入学式の模様が中継された。ニコファーレに出席した生徒は、N高等学校オリジナルデザインの制服に身を包み、わくわくとした表情を見せていた。初年度の入学者は1482人。最年長は86歳の女性だという。
N高等学校校長の奥平博一氏は、「誰にでも居場所のある学校、みんなが楽しめる学校、職員も楽しみながら働ける学校を目指した。家族、仲間、友達を大切にするN高校であって欲しい」と述べた。また、「皆さんは先の見えない海に向かって新しい挑戦に船出した。一緒にがんばっていきましょう」と締めくくった。
なお、沖縄の校舎で挨拶を行った奥平校長の姿はVRでリアルタイム中継され、生徒やN高等学校の関係者は、サムスンの「GearVR」を装着して奥平校長の言葉に耳を傾けていた。
祝辞を述べたN高等学校理事長の佐藤辰男氏(カドカワ代表取締役会長)は、「デジタルネイティブのための理想の学校を作ろうと準備を進めた。ネットを通じて高校卒業資格を取ることだけで無く、プログラミングやファッション、文芸、ライトノベル、コミック、受験など自分が志す目標のためのカリキュラムがそろっている。また、地域社会との接点を見つけ、皆さんの居場所を見つけるお手伝いもしたい」と述べた。
続いて登壇したN高等学校理事の鈴木敏夫氏(スタジオジブリ代表取締役)は、「人生で一番大事なのは友達。彼(映画監督の宮崎駿氏)とは38年間ほとんど一緒に過ごしてきた。最初は仕事仲間だと思っていたが、気づいたら友達だった。友達と一緒に仕事できたのが一番幸せだったと思う」と、生徒たちに友達の大切さを伝えた。
また、N高等学校の理事を務める角川歴彦氏(カドカワ取締役相談役)は、「角川がはじめたサブカルチャーは、子どもに悪影響を与えると社会から批判され、子どもたちが学校に行かない原因にもされた。既存の学校制度での教育問題は生徒を理解していないから起きている。カドカワなら生徒の心にリーチできると、N高校に関心が集まっている。人生を振り返る時に、自分の人生を決めるきっかけにN高校があったと思い出してもらいたい」と述べた。
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