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プレミアムインタビュー

耐え忍ぶ世代、冗談じゃない--福岡・高島市長がITで起こす“化学反応”(前編) - (page 2)

山川晶之 (編集部) 渡徳博(カメラマン)2017年03月29日 08時00分
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ただ耐え忍ぶ世代のままなんて冗談じゃない


右肩下がりの今の日本から脱却するためにも「自分たちの時代を作らなければならない」と高島氏は語る

 新しいサービスやテクノロジなど、イノベーションを行政としても取り入れていくことが、大きく人口構造が変化していく社会で重要になってきます。私たち団塊ジュニアと、その下の世代の人たちは、少子高齢化の人口ピラミッドの逆三角形の中で、医療や介護、福祉といった社会保障など負担だけを背負う悲しい世代になってしまうのか。また、夢もなく「成長」という一番モチベーションが上がる言葉を使えないまま、ただ耐え忍ぶ世代になるのかと考えると、それは冗談じゃないと。

 よく、「どうしてこんな時代に生まれたのか」と思いがちですが、私たちよりも上の世代の人たちも戦争や高度成長期、バブル期を経て、自分たちの手で、自分たちの時代と社会を作って、日本をここまで素晴らしく成長させてくれたわけです。そう考えると、私たちも、自分たちの手で“自分たちの時代”を作り、社会の主役にならなければいけません。

 そのためには、これまでとは違う新しいスキームが必要です。

 たとえば、5年前にFukuoka City Wi-Fi(無料の公衆無線LANサービス)を導入した時は、そもそも「Wi-Fiってなに?」という声が市役所内でもありました。しかし、今では皆さん当たり前にサービスとして使っています。また、ネットで本を簡単に買える時代になり、本屋で本が売れなくなるとは以前では考えられませんでした。こうした、市民が使うサービスも5年前と比較して変わってきています。

 これらのように、市民が使うサービスやデバイスが日々変わってきているのに、5年前に想定していた少子高齢社会のさまざまな想定は、変わらないままなのでしょうか。当時想定していたときにはなかった、新しい技術やサービス、ビジネスモデルが出てきているのに、想定通りにものごとが進むわけがありません。

スタートアップが生み出す「持続可能性のある社会」

 私たちは、新しい社会、明るい未来を作るために、これまでの想定を超えるものをどんどん生み出していく必要があります。そして、その可能性を一番秘めているのがスタートアップなのです。

 彼らが生み出すさまざまなアプリやビジネスモデル、シェアリングエコノミーといった新しい発想は、簡単かつ低コストで実現されているのですが、サービスの質は明らかに向上しています。

 行政としては、これらの新しいサービスや製品に対して「これは民間のものだから」と無関心でいるのではなく、積極的に取り入れることで社会に持続可能性が出てくると思います。こうなれば、人口ピラミッドでいう逆三角形の下の若い人たちが支える負担もずいぶんと変わってくるのではないでしょうか。

 ITやスタートアップは、「希望のある」「成長のある」「持続可能性のある」が3つそろった、次の時代を作る可能性を秘めていますが、行政として真剣にチャレンジしている自治体はまだ少ないです。まさしくブルーオーシャンなのです。第4次産業革命もそうですが、新しいサービスや商品、ビジネスモデルで熱狂するのはいいのですが、実際に「どこでやるの?」「どうやって社会で使われるようになるの?」となるという視点や議論が抜け落ちています。

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