EC需要に苦しむヤマト運輸、デジタルで「再配達」減らす - (page 2)

藤井涼 (編集部)2017年03月30日 11時30分

 ユーザーは、ECサイトでの注文や再配達を依頼する際に、受け取りたいPUDOの場所を選ぶことで、宅配ドライバーが指定されたPUDOに荷物を配達してくれる。ユーザーは、荷物受取り用のパスワードをPUDOに入力し、タッチパネルに指で署名をすることで、扉が開き荷物を受け取れる。

PUDOの利用方法
PUDOの利用方法

 日中は仕事のため、夜間に荷物を受け取りたいという人は多いはず。しかし、ヤマト運輸では21時までしか荷物を配達していない。また、仮に深夜の配達に対応したとしても、防犯や騒音の観点から実際に配達するのは難しい。そうした状況からも、宅配ロッカーやコンビニなど、自宅以外での受け取り方法を充実させることは、長期的な再配達の軽減につながるのではと畠山氏は語る。

自動運転やドローンによる「未来の配送」

 同社では、最新のテクノロジをとりいれた“未来の配送”も模索している。2016年7月に、ディー・エヌ・エー(DeNA)とともに自動運転を活用した次世代物流サービス「ロボネコヤマト」プロジェクトを発足。2017年の春ごろから1年間、国家戦略特区で実証実験を実施する予定だ。具体的には「オンデマンド配送サービス」と「買物代行サービス」の2種類を提供する。

「オンデマンド配送サービス」のフロー(2016年7月撮影)
「オンデマンド配送サービス」のフロー(2016年7月撮影)

 オンデマンド配送サービスは、ユーザーが希望する時間と場所で、荷物を受け取れるサービス。指定した場所にクルマが到着すると、依頼者が自らドアを開けて荷物を受け取るといった利用シーンを想定しているという。もう一つの買物代行サービスは、地域の複数店舗の商品をインターネットで購入し、オンデマンド配送サービスを通じて一括配送してもらえるサービスだ。単身世帯などよりは、小さな子どもがいてなかなか買い物に行けない家族や高齢者などの利用を想定しているという。

 実証実験では、市販車をベースに後部座席に荷物の保管ボックスを設置した専用の車両を使用。ユーザーのニーズに応えられているかを検証するとともに、実際に利用したユーザーからの要望を集めるとしている。また、期間中に一部で自動運転を導入したサービスも展開する予定だという。

ロボネコヤマトの配送車イメージ(2016年7月撮影)
ロボネコヤマトの配送車イメージ(2016年7月撮影)

 完全な自動運転による配達を実現するには時間がかかりそうだが、こうした自動運転技術が進むことで、女性や高齢者などこれまでトラックを運転することが難しかった層にも雇用の機会を提供でき、ドライバー不足という問題も解消できるのではないかと、畠山氏は期待を寄せる。

 ところで、楽天やアマゾンなど一部のEC事業者は、ドローンを使った荷物配送を国内外で開始している。ヤマト運輸が“ドローン配送”を手がける可能性はあるのだろうか。この疑問について畠山氏は、たとえば坂道が多くクルマも入れない広島県の尾道など、ごく一部のエリアでは採用する可能性はゼロではないとしながらも、「全国規模でドローンによる効率のよい配送を実現するのは難しい」との見方を示す。当面は、同社が全国に構築した物流網を活用していく考えだという。

 2016年にLINEによる再配達依頼や、Myカレンダーサービス、宅配ロッカーなど、再配達を減らすためのデジタル施策を次々と打ち出したヤマト運輸。2017年はいかにそのメリットを消費者に伝え、実際に利用してもらうかが課題になりそうだ。

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