「Windows 10」へのアップグレードによってデータの消失やPCの不具合が生じたとして、イリノイ州在住の3人の原告が中心となってMicrosoftに集団訴訟を提起した。
Microsoftは2年前にWindows 10へのアップグレード推奨を開始し、それ以来、ユーザーをこの最新OSに乗り換えさせようとする同社への不満がたびたび報じられてきた。不満の声が相次いだのは、Microsoftが「Windows 7」以降のOSを使用するユーザーに、Windows 10へのアップグレードを無償提供していた1年間だ。無償提供は2016年7月に終了している。
この一連の騒動に、新たに集団訴訟が加わった。この訴訟ではMicrosoftに対し、ユーザーの時間と金を奪い、苦痛を与えたと訴えている。Windows 10へのアップグレードに伴い、技術サポートやソフトウェアの不具合、ハードウェアの交換といった問題への対応を余儀なくされたというのが、その主張だ。
今回の訴訟には100人以上が加わり、費用と利息を除いて計500万ドル超の損害賠償を求めている。
代表原告のStephanie Watson氏は、Windows 10へのアップグレードを選択していないにもかかわらずアップグレードが実行され、仕事関連のデータを失ったと述べている。同氏はその後、Best Buyのサービス部門Geek Squadにマシンの修理を依頼したが、問題解決に「完全に成功」することはなく、代わりのマシンを購入する結果になったという。
訴状では、Windows 10は米国の法律では消費者向け製品にあたり、また、Microsoftはアップグレードがデータの消失やハードウェアの破損を招く恐れがあると認識していたと主張されている。
原告側は訴訟を通じて、アップグレードによるデータの消失やハードウェアの破損の恐れがあったことや、Microsoftがソフトウェアに互換性がない可能性について知っていたことなど、複数の主張の立証を目指す。
対するMicrosoftは米ZDNetの取材に対し、Windows 10への無償アップグレードプログラムでは、アップグレードしない選択肢を顧客に提供していたと述べている。
意外なことではないが、Windows 10へのアップグレードに関する苦情が殺到したことから、Microsoftは消費者が最も不満に感じた事柄を把握しており、次期アップデート「Creators Update」ではユーザーにより多くの選択肢を提供すると約束している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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