この数年間、Intelが開催したCPUの発表イベントは、もっぱらパフォーマンスの向上に焦点を当てていた。5年前に買ったPCを買い替えた人なら、その変化を実感できることだろう。
だが、Intelは米国時間3月27日、この状況を一変させる新しいメモリ製品としての「Intel Optane」を発売すると発表した。同社のコーポレートバイスプレジデントGregory Bryant氏は、Optaneを「革新的なシステムアクセラレーションテクノロジ」と称した。同社によれば、Optaneの開発成功は「メモリ技術においてこの数十年で初めての大きな進歩」だという。
この新しいメモリモジュールは、16Gバイトと32Gバイトの2種類が用意されており、M.2ソケットに取り付けられるように設計されている。第1弾の製品として、対応するデスクトップPC向けモジュールが米国で4月24日にコンシューマー向けに発売される予定だ。Intelによれば、2017年度第2四半期には、HP、Dell、Lenovo、ASUSTeK Computer、AcerなどのPCメーカーから、Optaneメモリを搭載した製品が発売されるという。
ただし、どんな古いPCでもアップグレードできると考えるわけにはいかない。Optaneメモリを搭載するには、第7世代の「Intel Core」プロセッサ(Kaby Lake)と「Intel 200」シリーズのチップセット、M.2タイプ2280-S1-B-Mコネクタを搭載したx2またはx4レーン構成のPCHリマッピングPCIeコントローラ、およびNVMe Spec 1.1を満たすB-Mキーが必要となる。また、システムのファームウェアが「Intel Rapid Storage Technology」ドライバーのバージョン15.5をサポートしていなければならない。
この技術仕様を満たすマザーボードはおよそ130種類で、そのすべてがここ1年以内に発売されたものだ。
また、Optaneを利用するには第7世代のプロセッサが必要なため、「Windows 10」(または第7世代をサポートする代替OS)も必要だ。これより古いバージョンの「Windows」では利用できない。
この新しいテクノロジは、「Intel Smart Response Technology」(Intel SRT)で利用されているのと同じアクセラレーション機能を基にしている。Intel SRTは、従来型のハードディスクドライブで、ソリッドステートドライブ(SSD)をインテリジェントな不揮発性キャッシュメモリとして使用するテクノロジだ。時間が経つにつれて、Intel SRTはユーザーが最もよく利用しているアプリを学習し、そのキャッシュを保存して応答速度を向上させる。
さらに、Optaneテクノロジでは、遅延を大幅に短縮できる新しい素材が使われている。そのため、Intelのベンチマークによれば、動作速度が標準比で28%向上し、起動にかかる時間は半分に減り、「Outlook」や「Chrome」といったよく使われるアプリケーションの読み込み時間は最大で6倍速くなったという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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