freee、HR領域で中堅市場に参入--給与計算や労務手続きなどを効率化

 freeeは3月22日、HR分野における新サービス「人事労務 freee」を発表した。2014年10月にリリースした「クラウド給与計算ソフト freee」の機能をベースに、労務手続き、勤怠管理、従業員管理面を強化。1000人規模の中堅規模市場をターゲットに、2017年6〜7月での提供を予定している。


freee代表取締役の佐々木大輔氏

 勤怠や従業員情報などをクラウドに入力するだけで従業員情報を一元管理。残業代や税金、社会保険料を自動で計算できるほか、入退社手続きや法定三帳簿などの労務手続きで使う書類を自動で作成し、そのまま電子申請可能。これまで複雑に分断されていたデータやソフトを統合し、人事・労務に関する手続きを一気通貫できる。


これまで業務ごとに分断されていたデータやソフトを一元化する

 大企業では、統合HCMシステムを構築して効率化しているのに対し、小規模から特に中規模企業では、パッケージタイプのソフトを利用するケースが多い。業務ごとにソフトの種類が違うほか、ソフト間の連携も取れていないため、作業が煩雑となり、労務リスクやセキュリティリスクの問題も出てきてしまうという。freeeの調査では、人事労務に平均3人の人員が配置されており、平均4つのシステムを紙と組み合わせて管理しているという。


中堅市場では各業務ごとにソフトが販売されていた

 また、働き方改革が叫ばれる中で、長時間労働や残業代管理、マイナンバーを取り巻く問題など、労務リスクに対する工数の増加で人事労務担当者の負担は増す傾向にある。スタートアップやベンチャー企業のケースでも、数名規模であれば対応できていたものが、規模が拡大するにつれ従業員データが分断され、情報更新の漏れなどリスクが顕在化してしまうという。労働人口が減る中、生産性向上において、freeeのようなクラウドベースのソリューションは存在感を増している。

 freeeでは、すでに提供している「クラウド会計 freee」と人事労務 freeeを連携。“カネ”と“ヒト”のデータ組み合わせることで、クラウドERPシステムとしての連携を強化。また、人事労務 freeeに蓄積されたデータを活用したエコシステムを形成していくとしている。

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