仮想現実(VR)ビデオを見るのに必要なVRゴーグルの市場は、急拡大が予想される。VR用ヘッドセットは、Microsoft製「HoloLens」のように単独で機能するスタンドアロン型、HTC製「HTC Vive」のようにPCなどと接続して使うテザー型、サムスン電子製「Gear VR」のようにスマートフォンの画面を流用するスクリーンレス型の3種類に大きく分けられる。そして、安価なことから、スクリーンレス型が出荷台数全体の74%を占める見通しだ。
スクリーンレス型で最初に思い浮かべるのは、ボール紙で組み立てて作る「Google Cardboard」だろう。その開発元であるGoogleが、スマートフォン用などの梱包箱をスクリーンレスVRゴーグルとして使うための技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間2017年2月2日に「INTEGRATED MOBILE DEVICE PACKAGING AND VIRTUAL REALITY HEADSET」(公開特許番号「2017/0031165 A1」)として公開された。出願日は2016年2月24日。
この特許は、モバイルデバイスの販売に使われるパッケージを変形させることで、スクリーンレスVRゴーグルとする技術を説明したもの。画面にはスマートフォンを利用し、折るなどして組み立ててレンズを装着すると、VRゴーグルとして機能する。まさにCardboardのような仕組み。
ただし、特許のタイトルでモバイルデバイス用パッケージと記述しているにもかかわらず、特許の範囲を規定するクレーム(請求項)で明確にはその条件に触れていない。特にもっとも重要な第1クレームには、パッケージに関する記述が一切ない。したがって、このままでは、タイトルで示されている意図でこの特許が成立することは難しそうだ。
なお、技術分野や実施例には、パッケージをVRゴーグルに変える構造や手順が記述されている。
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