Appleは3月中に「iOS 10.3」アップデートをリリースする見通しだ。iOS 10.3にアップグレードする前に、「iPhone」の有効なバックアップ方法を把握しておくことが極めて重要となる。
以下でその理由を説明する。
iOS 10.3はマイナーアップデートという印象を与えるが、実際にはかなり大きな変更が含まれる。Appleはこのアップデートを利用して、iPhoneと「iPad」が使用するファイルシステムを19年来の「HFS+」ファイルフォーマットから新しい「Apple File System」(APFS)に変更しようとしている。
APFSは、HFS+から大幅に改善されており、SSDストレージへの最適化や強力な暗号化、ファイルのタイムスタンプの改善(1ナノ秒単位で記録可能)、ストレージを節約するための多くの改善といった機能向上がもたらされる。
Appleは「macOS」「iOS」「tvOS」だけでなく、「watchOS」もApple File Systemに移行させる予定だ。
だが、これら2つのファイルシステムの間に互換性はない。ひとたびApple File Systemにアップグレードしたら、すべてのデータを消去してストレージを再フォーマットしない限り、HFS+に戻すことはできない。
つまり、iOS 10.3がインストールされたら、その端末に保存されているすべてのファイルがHFS+からApple File Systemに変換される。Appleは、この変換プロセスを可能な限りスムーズに進められるように、そして問題が生じないようにするために多大な努力を払ってくれると思われるものの、ファイルシステムのアップグレードには、何らかの不具合が生じるリスクが常につきまとう。
そして実際に、アップグレードプロセスでファイルの変換が始まった後に不具合が発生した場合、データの消失が現実となってしまう可能性がある。
バックアップが必要なのは、そのためだ。
iPhoneやiPadをバックアップするには、「iCloud」または「iTunes」を使う2つの方法があり、手順はAppleのウェブサイトに掲載されている。
iCloudに登録すると、自動的に5Gバイトの無料ストレージが与えられる。しかし、ほとんどのユーザーはおそらくもっと多くの容量が必要になるはずだ。50Gバイト、200Gバイト、1テラバイト、または2テラバイトにストレージをアップグレードする有料プランを選ぶこともできる。最も安いのは50Gバイトの月額130円(税込)だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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